退去者が引っ越しの際に置いていった、捨てるにはもったいなくまだ使えそうな家具・家電等をできれば次の入居者の為に置いてあげたいと考えたことはありませんか 🙂 ?
そういった場合、家主様の判断で再利用しても法的に問題がないのかをご紹介いたします!
ぜひ、ご参考までに!
入居者の中には引っ越しの際、家具をそのまま置いて引っ越される方もいらっしゃいます。新居に持って行かず部屋に残した荷物(家具や家電)。こういった荷物を残置物と呼びます。
その際、家主様が不用品回収代を負担するといったこともまれにあります。
では、捨てるのではなくまだ使えそうな家具・家電を退去される方から買い取り、
次の入居者ようにそのまま使用したり、または家主様の方で売却などしても大丈夫なのか 🙄 ?
※大切なポイント
基本的に認識しておかないといけないことは「勝手に処分するのは違法」ということです。
■置いていくぐらいなら、きっといらないだろう
■不用品なので捨ててもいいであろう
■契約が終了したのだから、再利用しても大丈夫
といった勝手な判断で行動するのは絶対にしてはいけないことです 😕
部屋にある残置物(家具や家電)の所有者は退去した入居者であり、これを勝手に処分したりしてしまった場合は、所有権の侵害ということで損害賠償に繋がる可能性があります。
💡 残置物を処分するには
1.前入居者の合意を得て処分
2.訴訟を起こして強制的執行での処分
といった2つの方法があります。
1 ➡ 特別な法手続きなどは不要。前入居者の方と連絡をとり「処分することについての許可」を得ることが大事。
※注意すべき点 😡
口約束でも法的効力は発生しますが、最悪の場合、言った言わないの泥沼になることも可能性とあり得るため、お互いの合意について書面に残しておくことが大切です。また、家具や家電などの大きな残置物となると処分するのにも費用がかかってきます。これは誰の費用負担で行うのかということをあらかじめ取り決めておく必要があります。
あとから思わぬ費用を請求された時に「聞いてなかった」とトラブルに発展しないように、合意の書面と一緒に費用負担についても取り決めておくことが大切です。
2 ➡ 「所有者との合意」が音信不通や所有権放棄の拒否などで合意が取れなかった場合の対応です。
この場合、契約が終了したのに部屋の明け渡しが終わっていない状態といえるため、建物の明け渡しを求める訴訟をすることになります。
この訴訟で勝訴しても所有者が残置物を処理しない場合は「強制執行」という手続きが必要となってきます。その後、撤去した残置物を競売にかけますが、たいていの場合、入札者がいないため大家さんが落札してから処分・廃棄するという流れになります。
非常に煩雑な手順と費用がかかってしまいますが、残置物を勝手に処分すると、後々、損害賠償請求をされることもあるため、面倒でも法的手続きに則った対応が必要となってきます。
退去した後の部屋に放置してあるから、それらの残置物は捨てていいと思いがちですが、そんな状況でも所有権は前の入居者がまだ持っているような状況に変りありません。
そのため、安易な判断で捨ててしまったりすると、あとから損害賠償請求をされてしまう危険生があります。
そういった事態を避けるためにも、退去立会い時に「残置物の所有権について放棄」する旨を一筆とっておくことが大切です。
※事前に退去立会い確認表などを作成してそこに一文入れておくのも良いかもしれません。もしも、退去立会いができなかった場合でも、必ず契約者に対して「残置物の処分は管理会社に委ねる」ことに了承をとっておくことが大事です。
了承が取れない場合は、訴訟を起こして強制処分するというケースとなってしまうため、できるだけ早い段階で前の入居者と連絡を取るのが大切です。
また、次の入居者に売却するといった行為は「古物営業法」という法律に定められた許可が必要となります。
💡 古物営業法とは
一度でも使用された物品(法律上「古物」といいます)
古物を売買して、若しくは交換、又は委託を請けて売買し、若しくは交換する営業を行う場合(これを法律上「古物営業法」)といいます。
「古物営業法」をおこなう公安委員会より古物営業の許可を受けなければなりません。
取引される中には、窃盗の被害品等が混在するおそれがあることから、盗品等の売買を防止し、また、被害品の早期発見により窃盗その他の犯罪を防ぎ被害を迅速に回復する目的から「古物営業法」が制定されています。
まず、家主様が退去者から不用品を有料で買い取り、新しい入居者に有料で売却する場合には「古物営業法」に該当するので許可が必要となります。
万が一許可を取らずに古物営業を行った場合には懲役、または罰金に処せられる恐れがあるといえます。
※許可を受けずに古物営業を行った場合、
3年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
また、家主様が前入居者から有料で買い取った物を新しい入居者に無償で貸すことについても、無償なので『売買』が行われているわけではないですが、前入居者から有料で不用品を買い取るという部分がすでに古物の売買に該当するため、「古物営業」となります。したがって、古物営業の許可が必要となるので、注意してください。
家具・家電が少しでも揃っている方が、学生や外国人留学生、単身者の方には喜ばれる傾向があり、入居の決め手にもつながるといった需要があります 😀
家具・家電を前入居者の方から受け継いだ場合、上記のポイントをしっかりとおさえ、トラブルに巻き込まれることのないよう気をつけましょう。