「梅雨に向けての対策」大雨・雨漏りへの備え

雨の降り方は2000年頃から激変。
より強度の強い雨ほど増加率が大きくなっています。
1時間降水量80mm以上、3時間降水量150mm以上、日降水量300mm以上など強度の強い雨は、
1980年頃と比較して、おおむね2倍程度に頻度が増加しています。

棒グラフ(緑)は各年の年間発生回数を示す(全国のアメダスによる観測値を1,300地点あたりに換算した値)。折れ線(青)は5年移動平均値、直線(赤)は長期変化傾向(この期間の平均的な変化傾向)を示す。<気象庁「大雨や猛暑日など(極端現象)の長期変化 」より引用>


防水性能が低下している時に想定の雨量を超えると、漏水につながる危険性もあります。
特に雨の続く梅雨から台風の時期は、雨漏りが増加する時期でもあります。

今回は雨漏りの原因となる建物のトラブルそれを防ぐ建物診断についてお伝えします。

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悪質な給湯器点検商法にご用心!

「給湯器を点検する」と称して不安をあおり、
高額な給湯器への交換を迫られたとする被害相談が増えています。

国民生活センターの発表では、悪質な給湯器点検商法による被害の相談件数が
2023年度ではその前の期の3倍に達することが分かりました。

給湯器点検商法はこれまで問題になっていた
屋根点検商法と似ている点が多くあります。
屋根点検商法で騙せなくなった悪質事業者が
新たに給湯器に目を付けたのではないかと言われており、
相談件数は年々増加の一途をたどっています。

賃貸物件では、給湯器の交換は大家さんの仕事であり、
入居者が勝手に給湯器を交換することはほぼないと言えますが、
設備交換が大家さんの仕事であるということを知らない入居者さんや
口車に乗せられて、詐欺の被害にあう方もいます。

戸建ての賃貸物件は特に注意が必要です。
また集合住宅の場合、騙されやすい入居者が集まる、詐欺をしやすい物件と認識されると
業者を装った強盗・暴漢が敷地に入り込み、事件に発展することもあります。

今回は物件も入居者も守るために、話題の給湯器点検商法についてお知らせします。

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やっていますか?入居者の情報更新~入居者のトラブル予防~

政府は3月8日の閣議で、単身高齢者や障害者といった要配慮者の住まい確保を進める
住宅セーフティーネット法などの改正案を決定しました。

社会福祉法人などによる見守りや安否確認機能が付いた
賃貸の「居住サポート住宅」を自治体が認定する制度を新設。
要配慮者の家賃債務保証を担う業者を国が認定する仕組みも設け、
高齢者らが入居しやすい環境を整える支援策も進められています。

孤独死後の対応や家賃滞納の懸念があり、高齢者の入居を拒むケースも多くあると言われていますが、
今後は法人による入居後の支援を充実させ、
大家さんが安心して物件を貸し出せるような仕組みができてくるかと思います。

「それでも、うちでは今後も高齢者を受け入れるつもりはない!」
というオーナー様もいらっしゃるかもしれません。

そんなオーナー様の物件にも、実はすでに高齢者・高齢者候補の入居者がいるかもしれません。

よろしければこちらも合わせてご覧ください。
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増える騒音トラブル~改めて知りたい騒音対応~

共同住宅で起こるトラブルの代表例とも言える、騒音トラブル。

環境省の「令和3年度騒音規制法等施工状況調査」を見ると、
同年度に全国の地方自治体が受理した
家庭生活が発生源の苦情は1389件。5年前より約37%増えています。

コロナ禍を経て、在宅で過ごす人が増えたこと
オンラインでのボイスチャットやゲームが盛んになっていること
室内飼育のペットが増えていること
入居者の生活リズムが多様化していること

など、入居者の暮らしに変化があったことも影響しているのかもしれません。

今回は改めて騒音トラブルについてどう対応すればよいか
調べてみました。

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[調査義務化]知っておきたいアスベストのこと

15年ほど前に大きく話題になった「アスベスト(石綿)」
アスベストのばく露により、塵肺、肺線維症、肺癌、悪性中皮腫など
人体への健康被害問題となったことは、皆さんもご存知かと思います。

アスベストは耐熱性や防音性、保湿性などに優れている素材で、
高度成長期(1970~1990年代)には建物をはじめとしたさまざまな分野で利用されていました。

2006年、アスベスト含有品の製造が全面禁止されましたが、
アスベストを利用した物件は
ちょうど大規模修繕の時期に入っていることもあり、
ホープハウスシステムでも昨今アスベスト対応の案件が増えています。
この機会に改めて、アスベストについて、調べてみました。

▶詳細が知りたい方は石綿総合情報ポータルサイト(厚生労働省)もご覧ください。

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臭いアイツ・カメムシは後処理が重要!

涼しくなってきた9~12月に人を悩ませるカメムシ
秋から冬にかけて気温が下がる時期になると、暖かさを求めるカメムシが
日の光であたたかくなる家の外壁や網戸に集まってくることが多いようです。

カメムシの厄介なところは
■屋外の樹木や草原から飛来するので発生源対策が難しい
■刺激すると悪臭を発する
■集団行動を好む傾向があるので、1匹いればほかの仲間が集まってくる
■2~3mmの隙間があれば、侵入してくるので、完全な侵入防止が困難
■殺虫剤に対して強い抵抗力がある

といったところ。

業者に任せても「また飛来してきた!キリがない!」とお困りの方も多いでしょう。

洗濯物にもついたり、共用部が踏まれたカメムシによる悪臭で嫌な気持ちになったり…
「カメムシがいやだから退去する!」という人は少なからずいるようです。

季節の風物詩として、諦めてもらわなくてはいけない部分も多いですが、
大事なのは、「カメムシがいやだ!」と思う頻度を減らしてもらう事。

人間ができる精一杯の抵抗を考えてみました。

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所有者不明の隣の土地も利用できる?民法改正後の隣地使用権

越境している竹木を切除する場合や電気・ガス・水道といったライフラインを設置する場合など、
隣地を使用する必要が生じることがあります。
その場合に隣地(隣の土地)を使用できる権利があることを定めています。
この権利のことを「隣地使用権」といいます。

この「隣地使用権」ならびにライフラインの設置に行使される「ライフライン設置利用権」
令和5年4月の民法改正によって、より分かりやすいものへと変わりました。

いったいどのように変わったのでしょうか?

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大家を狙った凶悪犯罪。身を守るためには?

令和4年における侵入犯罪の認知件数は前年より1.9%減少しましたが、
4万6,416件とまだまだ多くあります。
強盗などの場合、犯行グループを募り、知らない者同士で金持ちリストを頼りに
犯行に及んでいるケースもあり、
歯止めが利かぬうちに被害者に大きなケガを負わせたり、
場合によっては死に追いやる事件も起こっています。

また大家個人を恨み、狙った事件も発生しています。
■2022年12月神奈川県茅ケ崎市
犯人は家賃を滞納し、退去を求められた末に逆恨み。
契約書や裁判記録に載っていた大家の住所を頼りに自宅へたどり着き、
玄関を開けた大家を殺害しました。
■2022年8月福岡県川崎町
犯人は大家と同じ町内に住む男。大家から家を借りていたが、
家賃を巡るトラブルがあり、大家を殺害し、さらに自動車を盗み、
酒気帯び運転で現行犯逮捕されました。
■2022年3月千葉県市川市
犯人は2階に住む男。騒音を巡ってのトラブルが原因で
1階に居住している大家の女性を殺害しました。

不安をあおるわけではありませんが、
ご自身だけでなく、家族を守るためにも一度しっかり考えてみましょう。

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賃貸物件で増える自殺。大家の対応は?

20~22年いわゆるコロナ禍は、多くの人に影響を及ぼしましたが、
経済的な影響を見ると、女性の就業が多いサービス業等の接触型産業が
強く影響を受けたことで「女性不況(She-Cession)」が大きく進んだと言われています。

その影響もあり、20~22年にかけ、女性の自殺者数は3年連続で増えています。
19年 20,169人(男性14,078人 女性6,091人)
20年 21,081人(男性14,055人 女性7,026人) … 前年より増
21年 21,007人(男性13,939人 女性7,068人) … 前年より微減
22年 21,881人(男性14,746人 女性7,135人) … 前年より増

(参照:警察庁)

さらに賃貸住宅の居室内で、いわゆる「孤独死」した人を
性別・年齢階級別の自殺者の割合を見てみると、

男性女性
~20代22.8%38.3%
30代25.4%22.1%
40代21.4%16.8%
50代16.1%11.4%
60代9.3%8.1%
70代4.0%1.3%
80代~1.0%2.0%
(参照:一般社団法人日本少額短期保険協会による「第7回孤独死現状レポート」

かなり20代女性の自殺が多いことが分かります。

孤独死全体<自殺に限らない>を見ると、20代は低くなりますが、
20代~59歳といういわゆる現役世代全体に広げると、
孤独死による死亡年齢構成比の40.0%はこの世代になります。

賃貸による孤独死=高齢者、孤独死は男性に多いというイメージは、
正しいとは言えないということが分かります。
もはや孤独死は世代全体の問題と捉えるべきになっており、
賃貸経営をしているうえで避けられない不幸な事故ともいえるでしょう。

万が一、不幸な事故に遭遇した場合、大家として、なにをすべきでしょうか?

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【事故事例から考える】外廊下・階段、大丈夫ですか?

※写真はイメージです

7月3日、東京・板橋区アパート二階の外廊下の床が抜け、引っ越し作業員の男女2人が転落。
3メートル以上の高さから落下して、骨折などのけがをしました。
アパートは築50年以上で、廊下のサビも見られ、老朽化が原因の事故ではないかと見られています。
関係者は業務上過失致傷の疑いで捜査を受けているようです。

事故事例から考える…共用部のサビに注意!でも、事故事例から
サビによる腐食について、解説しましたが、
万が一の事故が起こってしまえば、取り返しがつきません。

改めて、物件のメンテナンスについておさらいしてみましょう。

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