家賃保証入っても注意!滞納時どう動く?

コロナ禍や民法改正で利用率が高まる家賃債務保証会社
家賃の未払いや原状回復費用をカバーできるため、
今後も重要度が増す一方で、
経営不振による家賃入金の遅れや説明のない手数料がかかったなどの
トラブルも聞かれるようになりました。

今回はその中でも「協力義務」を怠ったために
トラブルにあったケースをご紹介。
滞納時オーナーはどのように動くか考えてみました。


■家賃債務保証の仕組み
一般的に保障の仕組みは管理会社と保証会社との契約形態により、
2種類の仕組みに分けられます。
代位弁済型
【代位弁済型(一般保証型)】
滞納が発生した場合、一定期間内に管理会社(家主)が
保証会社へ報告し(①)、保証会社から補填(②)してもらう方法。
滞納の連絡から保証金振込までにかかる日数は
2週間程度であることが多いですが、保証会社によって異なります。
💡 代行弁済型のメリット
万が一、保証会社が倒産等した場合でも、
入居者が滞納しない限り、家賃は振り込まれる。

収納代行型
【収納代行型(支払い委託型・立替払い型)】
家賃は入居者から保証会社へ毎月支払い(①)、
保証会社から管理会社(家主)へは
入居者の滞納の有無にも関わらず入金される(③)方法。
💡 収納代行型のメリット
入居者と家賃債務保証会社で家賃のやりとりが完結し、
管理会社やオーナーがすることはあまりありません。
入居者が家賃を振り込むのは家賃債務保証会社の口座なので、
滞納が発生したら家賃債務保証会社にはすぐに分かるため、
管理会社やオーナーが滞納を知る前に督促が開始されます。

■家賃滞納発生後の家賃保証会社の動き
・代位弁済型の場合
オーナーはそれぞれの保証会社が定める期限内
家賃の代位弁済請求を行わなくてはいけません。
代位弁済請求後は保証会社が入居者へ催促します。
・収納代行型の場合
滞納の有無に限らず、保証会社が立て替えているため、
家賃催促は最初から保証会社が行う流れとなっています。

■滞納後から明け渡し訴訟に向かうまで
契約上、保証限度額は24か月相当ですが、
これは滞納を許す期間ではなく、家賃滞納が発生してから
家主が明け渡し訴訟を行い、退去してもらうまでの期間として
定められたものです。
・滞納発生後
家賃保証会社(管理会社・オーナー)が
電話や書面などの送付。訪問などで家賃催促を行う。
・2~3か月経過
明け渡し訴訟を見据えた家賃催促を行う。
1~2週間の期限を定め、
「期日までに家賃を支払わなかった場合は、賃貸借契約を解除する」と
書類で勧告する。
 💡 家主の協力義務
一般的にオーナーと保証会社との契約の中には「家主の協力義務」の条項が
設けられています。勧告後にも家賃の支払いがなかった場合は、
訴訟が行えるよう家主に協力が求められます。
・3~4か月経過
家賃滞納から3か月というのは、賃貸借契約解除の際の根拠となる
「家主と入居者との信頼関係が破壊されたかどうか」の目安の時期。
入居者には合意解約として滞納分全額の金額を請求する。
あるいは分割による一部回収や未回収となった場合は起訴という形になる。
・8~9か月経過
判決が確定。明け渡しが完了するか強制執行が行われます。

■家主の協力義務
訴訟に協力するほかにもオーナーは、入居者が明け渡しをスムーズに行えるよう
協力する義務があります。
<CASE1 😀 >
夜逃げと思われる入居者が発生したけれど、
入居者が戻ってくるかもしれないし、その間は家賃は保証してもらえるから、
明け渡し訴訟はしたくない!
<CASE2  😕 >
家主が認知症で訴訟を行う意思を確認できず、訴訟を実行できない。
成年後見人を選任するのに3か月ぐらいかかるけど、
その間は家賃を保証してもらえるから、なにもしなくていいか。

上記のケースの場合、家主がするべき協力義務を怠ったと
保証会社が判断すれば滞納家賃の保証は打ち切られる可能性もあります。

CASE1の時には訴訟の協力をすること。
CASE2の状態にならないように日頃から相続対策を行うこと。

家賃保証はあくまで保証であり、実際に家賃を管理するのは自分自身だという
自覚をもって対応することが大事です。

 

今後も保証会社のニーズは増え、サービスの内容もそれぞれ特徴があります。
管理会社任せにならず、自分自身でもどのような保証会社があるか把握し、
自分が納得して、協力し合える保証会社をぜひお選びください。


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繁忙期到来!不動産会社が紹介しやすい物件とは?

いよいよ繁忙期がやってきました。
まだコロナ禍の影響でお部屋探しの動きが鈍い今なら
空室対策は間に合います!

今回は不動産会社・仲介会社から見て、紹介しやすい物件の特徴をご紹介。
できるかぎり多くの人を案内してもらうためにも、
改善すべきポイントなどをお伝えいたします。


■管理状況を見られる共用部
・駐車場、駐輪場
多くの内見者が一番にチェックする場所です。
舗装が壊れたままだったり、路面の番号表示が消えたままだったり、
屋根に穴が開いていたりすると、管理が行き届いていないと思われます。
また自転車の停め方が雑だと、隣人トラブルも心配です。

・廊下
部屋に行くまでに必ず通る廊下からも物件の管理状況が見えてきます。
電灯などの設備が壊れたり、汚れたりしていないか。
入居者の私物やゴミなどがあると、これもトラブルを心配させます。
火事など万が一の場合にも、危険な行為ですので、
早めに対応した方がよいでしょう。

・バルコニー
内見時にバルコニーに出た時、隣室のバルコニーもチェックされます。
ゴミ出しにルーズな人は、バルコニーにゴミを置く場合もあり、
大量のゴミを放置するような人もいます。
これも隣人トラブルが心配なので、避けられるのは当然のことかもしれません。
あらかじめ賃貸借契約書に共用廊下やバルコニーなどの共用部については
私物を放置しないこと、物件の美観を損ねるような行為をしないという
規約を盛り込み、定期的に確認しましょう。

■原状回復しても要注意の室内!
・水回り
キッチン、トイレ、浴室など、配管がつながっている部分は、
虫や悪臭などのトラブルが上がりこむ可能性があります。
ドアを開いてすぐに悪臭が漂うと印象はとても悪いです。
換気や排水管に水を流したり、排水口にサランラップをするなどして、
ガードするようにしましょう。

・照明
繁忙期は1~3月と日が落ちるのが早い季節。
夕方~夜の内見は案内しづらいです。
繁忙期の期間は、電気の契約をし、案内してもらえるようにする。
(案内する部屋が違ってもモデルルームとして見せることもできます)
そうでない場合はバインダー等で部屋の写真を挟んでおいて、
スマホの明かりや車内で見てもらえるようにするなど
工夫してみましょう。

■古すぎる設備はかえって不評!
・ツーハンドル混合水栓
水道と給湯の両方をハンドルで出す「ツーハンドル混合水栓」。
初めて一人暮らしをする学生や新社会人などは、
ほとんどがシングル式の水栓を使っているので、使い方が分からない人も多いです。
交換もわりと安価でできるので、交換を考えてみても良いでしょう。

・渦巻き状の電熱線「電気コンロ」
80年代に作られたワンルームでよく設置されていたのが
この渦巻き状の電熱線で加熱する「電気コンロ」。
若い人だとそもそも使えるのか、と疑問に思われる方も多いです。
IHクッキングヒーターも安価で購入できるので、
優先的に取り換えた方がよいでしょう。

・ミニサイズの冷蔵庫
備え付けの冷蔵庫も、パッキンが緩くなったり、古くなったりしているのであれば
取り外してもいいでしょう。
2Lのペットボトルが入らない、買い置きができないといった問題点があり、
自炊をする人が増えている今、入るものが少ないミニサイズの冷蔵庫を
無駄なスペースと考えている人も多いようです。

■やはり気になる防犯面
・プライバシー保護のための設備
道に面した一階は部屋の様子が見えやすいことから、嫌がれることが多いです。
植栽や塀で見えにくくすれば、良いですが、
メンテナンスも必要なので、そこは気を付けて行きましょう。

難しければ、すりガラスにしても良いでしょう。
ガラスフィルムも様々な種類があるので、それで対応してもよいです。

また防犯シャッターがあると、窓を割って侵入されることもないため、
女性には人気の設備です。

・洗濯機置き場と洗濯もの干し場
特に女性の一人暮らしの場合は、洗濯機や洗濯物を干す場所が外にあると
服を盗まれたり、部屋に女性が住んでいると目をつけられたりする
危険があるので、その周りの環境を整えてあげることは大事です。

部屋にもの干しをかける金具を付けるなど、
ちょっとした工夫で入居者の好感を得ることは可能なので、ぜひ検討してください。

 

あと一歩のところで、内見者の印象を悪くして、
入居者獲得に至らない物件は実はたくさんあります。
空室になった部屋は改めて、自分の目で見直し、どんな改善策が必要か
考えてみてはいかがでしょうか?

サブリース新法施行!オーナーへの影響は?

「サブリース(転貸借)事業者」に初めて法規制がかかります。
かぼちゃの馬車やスルガ銀行の一件で、大きく浮き彫りになったサブリース。

トラブルは誰のせい?サブリースのリスクとメリットを考えるでも
ご紹介しましたが、サブリースには様々なリスクがあるにも関わらず、
そのことに触れず、無理な営業をする業者が問題になったり、
業者自身も契約に明確な決まりがなく、
オーナーとトラブルになったりと、
さまざまな問題がありました。

今年の6月には不当な勧誘の禁止や重要事項の書面での
説明義務を事業者に課す新法が成立。
そして、新法のサブリースに関する部分は、2020年12月15日 に施行されました。

サブリースは今後どうなっていくのか。
まずは国土交通省のガイドラインを見ながら、考えてみましょう。


サブリース業者とオーナーとの間の
賃貸借契約の適正化に関する措置(令和2年12月15日施行)について、
具体的な規制の対象を事例等で明示した
サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」が
国土交通省から発表されました。

またそれらをまとめた
「賃貸住宅経営(サブリース)において特に注意したいポイント」
というリーフレットも分かりやすくておすすめです。

ガイドラインのポイントとしては大きく3つ。
・不当勧誘等の規制の対象となる勧誘者の明確化
勧誘を受けたオーナーが「勧誘者」に該当ることを明記。
 サブリース業者(特定転貸事業者)とともに、サブリース契約を勧誘する勧誘者も
 規制の対象となります。
・誇大広告、不当勧誘の禁止
>具体例を記載し、禁止項目を明確にしています。
 勧誘者が「お断りします」「更新しません」など明示的に契約・締結または
 更新意思を示した場合でも業者が勧誘してきた場合は不当勧誘に該当します。
・オーナーに説明すべき家賃減額リスク等の内容の明確化
>契約締結前に署名に記載して説明しなければならない
 リスク時効を記載しています。

上記の項目を守らなかった場合、罰則等が発生するのが
サブリース新法のキモです。 

サブリース新法は、以下の2つの柱から成り立っています。
1.全サブリース業者への規制・罰則など
2.賃貸住宅管理業者の登録義務付け
サブリース契約を直接的に規制する法律はありませんでしたが、
今回の新法で悪質業者が排除できる形になりました。
サブリースを扱う業者は、1戸からでも新法の対象になるので、
今までに比べ、かなりきっちりと対応されていくことが分かります。

■賃貸管理業者の登録の際に義務付けられること
・一定の資格者による管理受託契約の重要な内容の説明・書面の交付
※登録事業者は事務所ごとに1名以上の実務経験(6年以上)者、または賃貸不動産経営管理しの資格保持者を置くことが義務付けられています。
>サブリースにおける借り上げ契約には将来どのように賃料が変動する契約か
 分かる形になります。
・入居者からの預かり金を的確に管理
>入居者から預かった賃料・敷金などは賃貸住宅管理者の財産と分別して管理。
 さらに業務等状況報告書として管理事務や財産の分別管理が国に報告され、
 一般の人にも見えるようにします。
・管理事務の定期的な報告
>オーナーに対して、定期的な管理事務の報告が義務付けられています。
・契約の更新や終了時の書面の交付
>入居者に更新内容書面を交付します。
 終了時には入居者に原状回復費用の算定や敷金の返還などの
 算定書面の交付
・登録の有効期間は5年
 

サブリースは、アパートやマンション、シェアハウスなど
多くの賃貸住宅で採用されています。
適切に運営されているケースが大半であり、
サブリース事業そのもの(仕組み)に大きな問題があるわけではありません。

契約の際には、やはりオーナー様自身もしっかりと確認することが
互いに納得いく形で契約できることが大事でしょう。

今後サブリースを考えている方、すでにサブリースを活用されている方は
ぜひ新法の内容をチェックし、契約内容や業者が新法に対応できているか。
まずはここが業者を見極める指標になります。

入居付けにつながるかも?!ペット飼育可能物件へのご提案

新型コロナの影響で『ステイホーム』と言われる中、去年から人気なのが犬・猫などペットを飼う人が増えています 😀
散歩など、お家時間が長いことで運動不足になりがちなのを解消できたり、家に居る時間をより有意義に過ごすことができるからと言われています。
今後も、どうなるかわからない状況の中、入居付けまたは、長期入居につながるご提案としてよろしければご覧ください。


【コロナでペットを飼いたい方が増えた理由】
・緊急事態宣言が出て以降、外へ出る機会が減ったため、家で過ごす時間が増えたのでペットがいることで癒やしになり、楽しく過ごせる
・外食や交際費が減り、出費が減ったため
・一緒に散歩に行ったり、遊んだりすることで運動不足の解消になるから
以上の理由から、去年から一気にペットを飼われる方が増えました!
では、ペット飼育可能物件に変えるとしたら、設備は何が必要 🙄 ?

■ペット可にした場合の必要な設備や準備しておくことは
鳴き声の対処について[ペット可物件]と物件内容に記載していても、鳴き声が大きく早朝や夜中などあまりにもよく鳴く場合は苦情に繋がり、近隣同士のトラブルになる可能性も。
➡ ペットの鳴き声の防音対策としては主に「壁や天井」・「窓」・「ドア」の3か所となります。

 💡 壁や天井の防音対策 
防音シートを壁の中に埋め込む
壁の中に吸音材を埋め込む
壁を防音パネルに変更する
以上の吸音材などシートを埋め込むことで防音する方法があります。

 💡 窓の防音対策
防音カーテンを設置して対策する簡易的な方法
防音カーテンは、吸音効果のある素材や、音を遮りやすい金属コーティングされた布を使って織り込まれたカーテンなので、普通のカーテンと比べ、約半分程度の音をカットできると言われます。
値段も「普通のカーテンよりも少し高め」ぐらいなので人気があります。
二重窓に替えて音を遮断する方法。
窓サッシを二重窓に替える方法は、防音性能としてはかなり高く、屋外に面した部屋で犬をで飼っている場合、やっておくと安心できます。

💡 ドアの防音対策
ドアを防音ドアに変更
ドアに防音シートを貼り付ける
ドアの隙間を埋める
以上の3つの方法があります。
防音ドアにする場合、安いものでも約30万円程となっており、高額なものだと100万円近くするものもあります。ペット用の防音対策としては非現実的な価格になります 🙄
コストを下げて防音対策をする場合は、既存のドアに防音シート等を貼り付ける方法や、またドアの隙間を「防音テープ」等を使って埋めて、隙間から音が漏れないようにする方法が安くですませる方法といえます。
防音テープについては、「隙間テープ」「消音テープ」等とも呼ばれ、ホームセンター等で手軽に買えます。

■ペット専用の洗い場
エントランス付近に設置することで、建物内が汚れることを防ぐことができます。

■特約内容など契約状況の見直し
退去時のリフォーム費が高額になる可能性もあるため、
ペット可物件は一般的に、敷金の金額を1か月分多く設定していることが多いです。ペット可物件に変更する際には、敷金設定の変更も考えておきましょう。
入居者間のトラブルは多くありがち!
原状回復義務など、トラブルを回避するには事前に契約書にペット飼育時の特約内容を明記しておくことが大切です。
<例>
 ・原状回復の内容(壁紙の張替え、室内消臭、室内消毒など)
 ・飼育するペットの種類限定、予防注射などの義務
 ・物件損傷の予防措置(床面をカーペット等で保護することの指定など)
 ・排泄物管理
 ・遵守事項の確認
などご参考までに 😀 

■変更通知を準備する
既存入居者へ[ペット飼育可物件への変更]を必ず通知する。
変更通知についてはいつまでに行えばよいかという明確な規定はないですが、ペット可能になるのであれば退去するという入居者が出てくる可能性もあります。
変更予定時期から半年くらい余裕をもって通知を行うほうが、万が一引っ越しを考えた入居者にとっても良いでしょう。
通知方法としては、エントランスの掲示板などへの掲示も考えられますが、一方的な印象を与えるので避けたほうがよいかもしれません 🙁

ペット飼育可能物件に必要なのは、ペットと入居者にとって、環境が整った住みやすい物件にすることで、入居付けや入居離れにつながる可能性も!
ペットを飼いたいという方が増えているいま、ひとつのご提案として考えてみてはいかがでしょう 😆