入居者を物語の主人公に。部屋の魅力を高める演出術って?

入居者募集をするとき、
🙂  「この部屋に住む人はどんな人なんだろう…」
と想像したことはありますか?

😉 「主要都市から電車で1本、30分圏内だから社会人の人かな?」
😛 「オートロックや防犯カメラなどセキュリティは万全。
   女性に安心して住んでもらいたいの」
など、いろいろな思いを込めて、
設備を入れ替えたり、壁紙を張り替えたりすることもあるでしょう。

物件も、どんな売り物もターゲットを定めることが大事。
ただ、そのターゲットにばっちりPRできてますか?

今回はターゲットに届く部屋の演出術について考えていきます。


●生活シーンをイメージできるホームステージング
アメリカでは一般的な「ホームステージング」
販売前の物件に家具や小物を設置し、
内覧者が内覧時に家に住むイメージを膨らませるような演出をする手法のことです。

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家具を置くことで、置ける家具の大きさがわかりやすくなります。
壁紙や床の柄、模様に合う家具の色も見え、より一層生活のイメージが湧きます。

ホームステージングの際、気を付けるべきことは
「家具を置いても広く見えるよう奥行を出す」こと。
入口側の家具で奥の家具を隠さないよう、気を付けて配置しましょう。

また「部屋を明るく見せる」ために家具だけでなく、クッションや花瓶、
造花、本などの小物、観葉植物、照明などを置き、
より具体的な生活シーンを意識させましょう。

子育て世帯に入ってほしければ、子どものおもちゃを置いてもかわいいです。
ターゲットが女性ならば、ガーランドやウォールアートもおすすめ。
どちらも100均で手に入るので、試してみる価値はあります。
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古めの物件をあえて、エイジング加工し、
アンティーク家具を置いて部屋づくりをしている方もいらっしゃいます。
こうしたお部屋なら少し重めの黒の壁紙や
子ども連れに人気の黒板壁紙も雰囲気にあってGOODですね。

●デメリットは物語を通じて、好印象に変える
😕 「駅から遠いのがちょっとなー」
😯 「キッチンの使い勝手が悪そう」
そんなマイナスポイントを見つけながら
消去法で部屋を選んでいる入居者も多いはず。

オーナーさんも仲介の人も、できればデメリットは隠しておきたいところ。
しかし、そうしたデメリットを解決する方法を教えておけば、
長期入居につながる可能性だってあります。

まずは入居者さんをイメージして、部屋はもちろん、周辺も歩いてみましょう。
社会人女性→きっと夜に駅から家まで歩くだろう。と考えたら、
一度夜に駅から家まで歩いてみましょう。
街灯に照らされる桜の木や野菜も売っているコンビニ、
遅くまでやっている定食屋など、素敵な町情報があれば、
マイソクに書いたり、仲介の人にPRするようこころがけてください。

女性であれば、キッチンやバスルームはもちろん大事。
実際料理の手順を思い浮かべて動いてみたり、
朝の身支度用にドライヤーや化粧ポーチを並べてみると、
使いづらい部分が見えてきます。そこはホームステージングの出番。
シェルフや壁用支柱の物干しラックなどを使って、収納が増やせることをアピール。
塩コショウなどのスパイスは100均で買える「マグネットでくっつくケース」を
使用して、壁や冷蔵庫に貼れるなど、
アイデア収納も取り入れて、解決策を提示してあげましょう。

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窓の外の景色があまりきれいでないときは
カーテンを付けたり、壁にアートをかけたりして目線を変えることもあり。
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和室であっても、ベッドを置いておしゃれな生活ができることを
見せてあげれば、内覧者も自分がどんなふうに
この部屋で暮らすかイメージできてきます。

 

今はホームステージングを依頼できる企業もありますし、
家具レンタルや、入居者が気に入ればそのまま家具購入できるなど
さまざまなサービスが出てきています。

こうした企業にアドバイスを受けることも大切ですが、
一番はターゲットの年齢層や職業、家族構成の人に部屋を見てもらい
アドバイスを受けることかもしれません。

😕 「カーテンの色が落ち着かない。無難に白でもいいんじゃない」
😡 「若いからって別にキャラクターものが好きなわけじゃないよ」
🙁 「家具で圧迫感がある。ソファはなくてもいいんじゃない?」
など、良かれと思ってセッティングしたものが、
かえって物件に悪い印象を与えることもあるので、
自分のセンスを信じるのではなく、他の人の意見も聞きましょう。

リフォームもホームステージングも、入居者を思いやることで
よりよい結果を生み出すことができます。
入居者が素敵な人生という物語を紡いでいけるよう、
素敵な住まいを提供していきましょう。

火災は人災?大切なのは日頃の防災意識

今月14日、ロンドンで発生した公営高層アパート火災。
マンションの壁面をなめるように立ちのぼる火の写真や映像だけで
現場の恐ろしさ、大変さが伝わりましたよね。

 😕 「自分のアパート、マンションは大丈夫かな?」
と不安になった方も多いのではないでしょうか?

今回はこういう機会にぜひ見直したい。
アパート、マンションの防火について考えていきます。


19日時点でロンドン警視庁は現在も消息が分からず、
死亡したと推定される人が79人に達したと発表した今回の火災。
いまだに捜索が続いており、死亡者は100人以上となるのではないか、
という報道もあります。

この高層アパートは24階建ての低所得者用福祉住宅。
約120戸に400~600人が住んでいたとそうです。

1974年の竣工されたアパートは昨年に大規模改修工事を終えたばかり。 
外壁工事も行われましたが、この工事が火の回りを早めたとも指摘されています。
工事の際、候補に挙がった外壁材のうち、選ばれたのは
より安価で、外観を改善し、断熱効果が高い、しかし耐火性の低いものでした。

そして
・スプリンクラーが設置されていない
・出火当時、建物内に設置されているはずの火災報知機が鳴っていなかった
・消火器が点検されていないと指摘があった
・避難用の出口が1カ所しかない
・非常灯にも問題があり
・道路幅が狭く、一般車両の路上駐車もあり、緊急車両の活動が防がれる
といった指摘が住民グループから上がっていたにも関わらず、
改善されなかったことも、被害が大きくなった原因と指摘されています。

さらに見ていくと、
・政府が財政緊縮を掲げて、住民が顧みられなかったこと
・高層アパートに隣接した裕福な地域の人々にとって、
 外観の良いアパートのほうが好ましかったこと
など貧富の格差といった問題も浮き彫りになり、
この火災が人災に他ならないことを示しています。

 

 💡 「日本の高層マンションやビルで、同じような火災は発生しない?」
日本は建築基準法や消防法で防火規制が厳しく、
不燃性の壁や建材、カーテン等を使用しなければならないほか
防火区画やスプリンクラーの設置が義務付けられているため、
燃えたとしても、一部屋が燃えることのほうが多いといわれています。

引き続き、以下のような部分を見直して
「誰かのせいで起こった」ではなく「誰かのおかげで防ぐことができた」
継続していきましょう。

●設備点検をしっかり
スプリンクラーや火災報知器などの防火設備が作動するかはもちろんのこと
・上下水道などの配管まわりがしっかりふさがれ、火が回ることがないか
・防火扉や非常扉の前、避難経路に荷物が置かれたり、ふさがれていないか
・ベランダに物やゴミが置かれ、避難の妨げになっていないか

など建物の状態もチェックすることで、物件の環境も改善できます。
また、消火器の使用有効期限(または品質保証期間)は10年ほど。
忘れずに管理していきましょう。

●大規模修繕は「防災」を見直すチャンス
消火設備の設置を改めて見直すと同時に、
網入りガラスや防火クロスなど、
防災対策となる建材を取り入れていきたいところです。

●入居者、利用者に注意喚起
建物火災の主な出火原因は「コンロ」、「ストーブ」、「たばこ」
入居者にこのことを意識させるだけで、火災を防ぐことができます。
また「民泊」では、ゲストが文化の違う国でコンロやストーブを使うので、
あらかじめ火器、電化製品の使い方や
もしもの時の通報の仕方などをきちんと説明することが大切です。

避難経路や消防設備を実際に使っての消防訓練も大事。
設備に慣れる、避難経路を意識し共用部分の使い方を改善することも
できますし、居住者同士のコミュニケーションの向上にもつながるので、
積極的に実施していきたいです。
参加できなかった人に対しても、お手紙や回覧板を使うことで、
定期的に意識してもらいましょう。

 

平成27年中、共同住宅で起こった火災は全国でも3774件。
東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数が2733人という
数字を見ると、昨今問題となっている「孤独死」に遭遇するよりも
「所有している物件が火災にあった」というオーナーさんは
実は少ないのではないでしょうか?

とはいえ、これも火災報知器の設置が義務付けられたり、
入居者に火災保険に入ってもらうようお願いしたり、
防火に対する意識が高いおかげ。

さまざまな機会を通じて、
オーナーさんから入居者へ「防火」の大切さを
行動や言葉で伝えていきましょう 😉 

いる?いらない?入居者のベランダ事情

共用部でもあり、室内と同じく入居者の専用権もあるベランダ。
一人暮らしの賃貸でも、ベランダがある物件ほうが多いかと思います。

 😕 「今時洗濯物を部屋の中に干す人も多いし、
          ベランダって部屋決めの決定打にはならないでしょ?」

そんなことはありません!
 😉 私自身、お部屋選びの時にベランダで候補から外した経験があります。

今回はベランダの使い方を考え、「入居の決め手となるベランダ」とは
どんなものか考えてみました。


■ベランダは生活するうえで欠かせない場所?

ベランダをどのような用途で使っているかgurahu
SUUMOジャーナル編集部(2017)

多くが「洗濯物を干す」と回答しているのに対し、
5人に1人はベランダがあるにも関わらず
どんな用途にも「使っていない」と回答しています。

またトラブルの原因ともなる「タバコを吸う」「ゴミ置き場」
回答している人もいますね。

😕 「使っている人も少ないし、トラブルの種にもなる。
   ベランダは重要じゃないのかも?」

🙂 「ベランダをなくして、部屋を広くしたほうが、入居してもらえそう」

という意見もありますが、
「次に引っ越すとしたらベランダはあったほうがいいか」という
問いに対しては、79.6パーセントの人が「あったほうがよい」
回答をしています。

「なくてもよい」と答えた人の多数は「お部屋干し派」。
さらに6割が「男性」ということも覚えておきたいポイントですね。

 

■ベランダ・バルコニーを楽しむバルコニスト

イケア・ジャパン(株)では、ベランダ/バルコニーを部屋の一つ考え、
ベランダ/バルコニーを楽しんでいる人を“バルコニスト”と定義して、
家具やアイテム、アイデアを提案しています。
「ベランダ/バルコニーに関する意識調査2017」では、
ファミリーとシニアの回答者半分以上が
「ベランダ/バルコニー」で過ごす時間が好きと回答しています。

😉 「景色を見て、開放的な気持ちになれる」
😀 「リラックスできる・落ち着く。気分転換できます」
🙂 「ガーデニングを通じて、家族の交流ができている」

など、家事用途以外にベランダを楽しむ人も増えています。

賃貸オーナーとして注目しておきたいのが
排水性のよい「ウッドデッキパネル」。
敷き並べるだけで簡単に、ベランダが温かみのある雰囲気になるので、
おすすめです。

■「内」覧時、屋「外」のベランダも見られている

入居募集をしているお部屋のベランダ、ちゃんときれいにしていますか?
外にあるので、葉っぱや砂などがたまってきてしまうと、見た目的にもNG。
 😥 「排水溝に鳥が巣を作ってて、下の階に雨漏り発生!」
ということもあるので、注意が必要です。

また、上両隣からゴミが投げ込まれることもあります。
私は内覧時、ベランダに使用済みの避妊具が落ちていたことがあり、
即NGを出したことがあります 👿 
こういう物件は防犯面や隣人トラブルも起こりそうで怖いですよね。

またベランダに出れば、隣人や下の階の方、周辺の暮らしぶりが見えてきます。
1階のベランダにゴミが放置されているのを見ると、
見ていて嫌な気分になりますし、放火などの犯罪に巻き込まれる危険があるので、
そういう部屋も選びたくないですよね。


 💡 入居の決め手となる「ベランダ」とは

きれいであることは、絶対条件。
それにプラスして「癒し」の場になるような工夫がされているとうれしいですね。
外から見える場所でもあるので、ベランダのデザインを変えれば、
外観もグレードアップすること間違いなし!

しかしゴミが放置されていると、見た目にも安全面でもNGなので、
お手紙で撤去のお願いなどをしたほうがよいでしょう。

逆にベランダがない物件は
・部屋干しができる浴室乾燥機や天井に取り付ける竿掛けを設置
・ファミリー層よりも男性
にするなど、ターゲットに合わせたリフォームや一工夫をしていきましょう。

空室の活用に!レンタルスペース

空室の活用として「民泊」が注目されていますが、
他にも数が増えてきているのが「レンタルスペース」

空いているスペースを有効活用する貸し会議室のようなものです。
しかし、その用途は会議だけでなく多種にわたります。

今回はこ「レンタルスペース」がなぜ増えてきているのか。
オーナーとしてのメリット、デメリットを考えます。


レンタルスペースの使用用途ですが、ポータルサイトを見ていただいても
分かるようにかなり多岐にわたります。

スペなび
https://supenavi.com/

インスタベース
https://www.instabase.jp/

スペースマーケット
https://spacemarket.com/

女子会やレッスンスタジオ、撮影スタジオ、展示会etcetc
貸しスペースとして掲載されている場所も
マンションの一室、店舗の空き時間、倉庫、屋上とさまざま。

若者には広いキッチン付きのワンフロアが人気とのこと。
 😉 一人暮らしの家にはない大きなキッチンで友達とお食事会
料理を作る楽しみがある上に、飲食店に行くより安く済む!と
いつもと違う場所+お得なのが受けているようです。

★★メリット★★
■用途を自由に設定

民泊や会議室と違い、用途が広がることで、それだけニーズも広がります。
また使用する時間帯も設定できるので、
その時間帯から使用する時間を選んでもらえることもできます。
ただ、住宅以外の用途として利用するのなら、
用途変更の手続きが必要になる場合があります。
役所に確認してみてください。

住居用の数倍ともいえる利益率があがることも
小さな会議室になると1時間当たり1,000円~。
広いキッチンやテレビ、DVDなど設備有のパーティースペースなら
5,000円~となっており、
人気の場所では月100万の利益が上がることも。
効率的に運用すれば収益力は高く
空き家の活用としては非常に魅力的です。

■民泊のような清掃コストがそれほどかからない
使用後多少清掃が必要ですが、民泊のようにリネン替えの手間はありません。
コストパフォーマンスを考慮しても、
空室のまま入居者を待つより有効的な活用といえます。
面倒な予約の管理はポータルサイトに任せることもできます。
鍵の受け取りや照明、エアコンまでも、
お任せできる業者がいるので、そちらに依頼するのも手です。

★★デメリット★★
自分の土地やエリアでなにに利用できるか、誰が利用してくれるか
■利用者募集をどうしていくか
といったデメリットがあります。
あらかじめ考え、設備を整えたり、宣伝をしていかなくては
結局空きスペースになってしまいます。
本格的にレンタルスペースを始動する前に、
まずは自分が利用者として、プレオープンで友人たちを招いたり、
周辺地域の人を招待してもよいでしょう。


カーシェアやパーキングシェアなど「所有せずにシェアする」という考えは
今後定着していくと考えられています。
同じ棟で空室が複数あるのであれば、一室はモデルルーム兼レンタルスペース
してしまうのも、一つの手かもしれません。