🙂 「今、部屋を借りている人は、どんな人が多いですか?」
😮 「物件のターゲットを教えてください」
そう聞かれて、正確に答えられる方は、多くはないのではないでしょうか?
そんな中で、管理会社や仲介会社から
😀 「宅配ボックスがあったほうが決まります!」
😉 「浴室テレビは他の物件にないので、惹かれる入居者さんが多いですよ」
と色々アドバイスをされ、
設備投入+家賃UPを目指すことを選ぶ人もいるかもしれません。
しかし、入居者層に見合わない過剰な投資設備は
逆に長期空室につながってしまうことになりかねません。
費用対効果が高い設備投資を行い、入居率をアップするには
まず自物件の分析・把握が大事でしょう。
今回は物件の本当の姿を紐解く方法についてまとめました。
①入居申込書から過去と今の入居者をチェック
入居申込書には入居者の情報がたくさん入っています。
過去から遡ることで、経年劣化や設備投資にどんな作用があったかも見て取れます。
年齢、性別、国籍、入居形態(人数)、転居理由、勤務先・学校、年収などから
どんな人に選ばれるか、が見えてきます。
たとえば
💡 広めの1DK、バス・トイレ別、2口コンロ、賃料・管理費込7万円
💡 28歳で物件から30分圏内の企業で6年勤続する男性が入居
という情報が出てくれば、
➡ 少し余裕の出てきた社会人。ワンランク上の部屋に住み替えか?
といったターゲットが浮かび上がってきます。
こうしたターゲットに対して、どんな部屋を作るべきか考えると
➡ 友達や彼女を連れてきて自慢のできる部屋づくり
➡ 趣味のものを飾って、自分なりにリメイクできる部屋はどうだろうか?
➡ 飾り棚や大きめのクローゼットが好まれるかも。
➡ クローゼットが複数あるなら、ひとつをワークスペースにしても〇
➡ ネットでの買い物も多そうなので宅配ボックスは必須
➡ ダウンライトや黒・紺などのアクセントクロスでスマートなデザイン
などのアイデアが出てきて、効果的な設備投資、リノベーションの検討がつきます。
②エリア内の競合物件をチェック
間取りや家賃の似た競合物件は、ポータルサイトである程度調べることができます。
それらの物件と比べながら、自分の物件の良いポイント、必要なポイントを
考えることもできます。
他にも「ペット可」「二人暮らし可」「二輪車の駐車可」「高齢者可」
「 外国人可」「保証人不要」などといった条件にも注目し、
他物件に当てはまらなかった人へ間口を広げることで満室になることもあります。
③エリアの現在と今後の予測をチェック
🙂 「ファミリー用の物件が多いから、このエリアはファミリー層が多いんだ」
そう判断するのは誤りです。
地域の需要は地域市場の変化により変わっていきますし、
それにより、物件タイプの需要と供給のバランスも変化していきます。
人口だけ見て、人が多いと判断するのも誤りで、
実は「どんな世帯が多いのか」を見抜いていくことが大事です。
そのためにはまず「地域市場」の調査が必要です。
■地域市場
企業などは東洋経済新報社から出ている「都市データパック」など
ツールを使いこなして地域市場を調べています。
専門家や管理会社・不動産会社に助言を求めることも良いでしょう。
自分で調べるのであれば「住みよさランキング」など各種ランキングも
エリアだけでなく、今どんな「暮らし」をみんなが求めているかの参考になります。
また市町村が出している「総合計画」も、今後町がどう変わっていくのかという
予想ができて、参考になります。
■近隣市場
物件の主要駅から2駅ほどのエリアは、競合エリアであり、
またそこで働いたり、学校へ通う人たちをターゲットにすることもできます。
自分のエリアがそこに比べて、高い収益が望めない場合でも、
そこのエリアにない世帯の物件や、キッチン特化やDIY可能など一工夫加えれば
2駅を飛び越え、自物件を選んでくれる場合もあります。
また、スーパーやレクリエーション施設などの地域情報も仕入れ、
入居希望者にアピールすることも大事です。
自物件のことは分かったけれど、それでも設備投資先を迷っているのであれば
水回りの強化をお勧めします。
①エアコン
古いものと新しいものの違いがもっとも分かる設備です。
やはり部屋の広さにあった最新式のエアコンは効きが違いますし、
電気代も変わってきます。
昨今の夏はエアコンなしに過ごせないほど暑くなりますし、
入居者の体調管理・孤独死のリスクを減らす意味でも
グレードアップしたい設備です。
②キッチン
コロナ禍の影響を受け、自宅でご飯を食べる人が増えています。
また一人暮らしでも、節約のために自炊という人が増えているように感じます。
二口コンロ、さらにシンクを広く、多目的に使用できるキッチンカウンターでも
あれば、他物件との差別化が図れます。
③浴室乾燥機
浴室乾燥機は換気や乾燥のほか、
暖房(暖風)・冷房(冷風)の機能を兼ね備えています。
一人暮らしはもちろん、共働きのファミリー層にも人気の設備です。
カビ対策にもなるので、部屋をよりきれいに使ってもらえます。
長期満室経営を実現するためには、市場動向や将来の変化予測を踏まえ、
どのターゲットを狙って勝負していくか、定めることで、
費用対効果の高い設備投資、他物件にない独自のポイント、
ターゲットを惹きつけるコンセプトが見えることが大事です。
繁忙期が過ぎた今だからこそ、仲介会社・管理会社とも連携を取り、
自分の思いを積極的に伝えていってください。