オーナーさんのパートナーでもある不動産管理会社。
自主管理という方法もありますが、
多くのオーナーさんが良きパートナーである優秀な不動産管理会社を見つけることが重要になります。

信頼できる不動産管理会社を見つけられれば、
家賃の入金管理と入居者の審査・修繕などの一部の決定業務を行うだけで済みますが、
トラブルを生み出す不動産管理会社だった場合は、
入居者さんとの信頼関係も悪化し、最悪、退去につながります。
今回は入居者さんの意見を参考にしながら、
自身の物件を任せる不動産管理会社について考えてみましょう。
入居者を対象にした「管理体制やトラブルの対応について」のアンケートを見ると、
「気になることがある」と回答した人は全体の約42%。
中には「引っ越したいほど気になる人」も約28%という結果が出ています。
5人に1人以上が管理体制やトラブル対応の不備により、
引っ越したいと考えているのを見ると、ここの対応が長期入居に強くつながる部分だと
わかりますよね。

具体的に入居者が不満に思っている部分を見てみると、
1~3は建物に関するハード面での不満、4~5は人に関するソフト面での不満という結果でした。
繁忙期なども考えると、1位の「共用部の清掃」は力を入れたいところです。
月1回以上の清掃を行ったうえで共用部が汚れやすいタイミング、
例えば照明器具に虫が群がる夏場や荒天の直後に
臨時で追加清掃をするなどの対応が求められています。
こうしたデータをもとに、改善を促しても、対応してくれない場合があります。
管理会社がトラブルに対応してくれない理由としては、下記のような理由が考えられます。
・担当者が不誠実
管理会社の担当者が不誠実だと、トラブルの対応に消極的で問題が解決しない可能性があります。
複数業務を掛け持ちしている場合が多いため、対応が遅くなるケースもあります。
また、担当者の中には若く経験があまりない人もいます。
そのため、適切な対応ができずに対応が遅れてしまうこともあります。
・人員が不足している
管理会社では人員不足の問題もあり、誠実な担当者であっても、
すべてのマンションの管理を適切にできない状態になることもあります。
・許可が必要なため、判断に時間がかかっている
さまざまな判断が可能な担当者は、現実問題少ないです。
上司などに助言や許可を求めている間に、対応までの時間がかかってしまう場合もあります。
・カスタマーハラスメントと判断されている
理不尽で過剰な対応を迫られると、カスタマーハラスメントと判断され、
対応してもらえない場合もあります。
判断が難しいところではありますが、他の管理会社と比較しながら、
対応を一緒に検討するなど、歩み合うことは大事です。
なぜ対応してくれないのか。
その理由を聞き出すことも、重要になってくるでしょう。
■管理会社が対応してくれないときの相談窓口
管理会社が対応してくれないときの相談窓口として、下記のような機関があります。
公益財団法人マンション管理センター
マンション管理センターとは、管理組合や管理関係者を支援するための期間であり、
国から指定を受けた公益財団法人です。
マンション標準管理規約やマンション管理に関する法令等を参考にして、
公平・中立的な立場でアドバイスしてくれます。
ただ、トラブルの仲裁をする機関ではないため、
最終的には自分たちでトラブルを解決しなければなりません。
一般社団法人マンション管理業協会
分譲マンションの管理に関するご相談を受け付けています。
マンション管理会社が加盟する唯一の業界団体で、
国土交通省から「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に規定する
指定法人として認定されています。
協会が問題解決に向けて動くのは、協会に加盟している管理会社に対してのみです。
全国のマンションの90%以上が協会の会員会社によって管理されているものの、
中には加盟していない会社もあるので、前もって確認しておきましょう。
マンション管理士事務所
国家資格である「マンション管理士」資格を持つ専門家が
全国各地でマンション管理士事務所を開設しており、その多くで無料相談を受けることができます。
ただ、トラブル解決に向けた仕事受注を目的としているので、
そのことを前提として、信頼できる管理士に相談してみましょう。
■管理会社を選ぶポイント
トラブルが解決しない場合は、別の管理会社を検討することも大事です。
〇賃貸物件管理の担当者以外にも任せることができる
不動産管理会社の業務は多岐にわたります。
入居者からの問い合わせや要望があった時に、担当者が不在であっても
どういったフローで対応できるのか、予め聞いておきましょう。
〇集客力があること
営業力のある管理会社に委託していれば、
退去者が出ても空室になる期間を短くできる可能性があります。と
集客力があるかどうかは、管理会社が扱う他の物件の入居率を見て判断できます。
似た物件をいくつかピックアップして、満室に近い状態であれば、
不動産会社は営業力があると判断できるでしょう。
■大手?地域密着型?
大手か地域密着型かは物件の特徴によって、判断しましょう。
学生など他の地域から入居してくる物件は大手の方が安心ですが、
長期入居されている方が多い、今後改修を控えている物件の場合は
地域密着型の対応力が期待できます。
〇大手管理会社
大手管理会社の最大のメリットは、知名度が高く集客力があることです。
入居希望者も聞いたことのある管理会社であれば、安心感があります。
ただし、イレギュラー対応には弱い傾向にあり、
対応が遅れるケースも多々あります。担当者が代わりやすいのも特徴です。
〇地域密着型管理会社
地域の情報に精通しているので、地域の特性に合ったノウハウがあり、
地方自治体の優遇制度などもよく知っています。
決済判断が早く、緊急の場合にはただちに対処してくれるのも魅力です。
ただ、規模が小さすぎる会社の場合は対応力が弱い場合があります。
社員数と管理物件数、担当棟数なども確認した方がよいでしょう。
一番大事なのは、管理会社は賃貸経営のパートナーであるという
意識をもって接することだと思います。
任せっぱなしにせず、一緒に物件を考えていけるよう、
ぜひ定期的に連絡を取り、ねぎらい、信頼関係を深めていきましょう。