2020年4月1日に改正民法が施行されてから1年が経ちました。
改正の中でも、賃貸経営に携わる方の注目を集めたのが、
設備故障などにともなう家賃減額の規定。
[民法改正]設備の不備は家主の責任!?でも取り上げましたが、
改正民法では
賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される
と明確に「減額される」ことが決まりとなりました。
減額の程度などは特に規定がされず、難しい部分ではありますが、
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が出している
『貸室設備等の不具合による賃料減額ガイドライン』を参考に
各々が対応されているようです。
〇 ガイドラインの使用方法
(1)A群のいずれかに該当するかを確認し、該当すればA群の賃料減額割合・免責日数を基準に金額を算出する。
(2)Aのいずれにも該当しない場合に、B群に該当するかを確認し、該当すればB群 の賃料減額割合・免責日数を基準に金額を算出する。
(3)減額の算出方法は、日割り計算で行う。
事例を見つつ、これからの季節起こりえる
エアコンや雨漏りなどの設備不良などがあった場合、どうすればよいか
参考にしてみてください。
民法改正以降の一年間で日本賃貸住宅管理協会には、前年の2倍にあたる
30件の相談が寄せられ、その多くが入居者からの相談だったそうです。
入居者がインターネットなどを利用して、
「設備故障などにともなう家賃減額の規定」などの情報を得て、
それに基づいた対応を求めるケースもあるとのことでした。
通常の設備故障による修理は、免責期間を超えて減額となっても
数百円程度と少額なため、実際に減額に至るケースは
まだそれほど多くはないようです。
次は減額に至ったケースを参考に見てみましょう。
■減額に至るケースとは
💡 ケース:部品生産が終了したオール電化設備向けの電気温水器の故障
2LDKのマンションで、オール電化設備向けの電気温水器が故障。
メーカーが部品の生産を停止していたため、部品交換による修理ができず、
設備自体を交換することになった。
48日間給湯ができなくなり、銭湯代と
ガイドラインに基づいて3万6800円を入居者に支払った。
💡 ケース:入居時にエアコンの故障が判明
月額賃料 65,000 円の物件で入居時にエアコンの故障が判明し、
修理まで15日を要した。
ガイドラインに基づき、
賃料減額5000円(1か月)×(15日-免責日数 3 日)/月 30 日=2,000 円(1日あたり133円)の賃料減額ほどになり、1936円を返金した。
💡 ケース:浴室の漏水。近隣に銭湯などがなく…
ファミリー向け2LDKの物件2件で、天井から水漏れがするとの連絡を
入居者から受け、上の階を調査したところ、浴室の漏水を確認した。
浴室タイルのはつり工事、防水塗装、タイル貼りに施工期間3日間を要した。
免責期間内だったが、近隣に銭湯などが無く、
入居者の不便さを考慮し、オーナーと相談して1万円を家賃減額。
月額家賃の18%にあたる減額となった。
■入居者とオーナーが納得できる指標が好評 🙂 😉
以前であれば、設備の使用年数や入居年数などを踏まえ、
協議によって家賃減額の費用を決めていたケースもありましたが、
日管協のガイドラインが公開されたことにより
減額の金額を算出しやすくなり、オーナーも納得しつつ、
入居者にも同意を得やすくなったようです。
原因が特定しにくい雨漏りに関しても、ガイドラインでは幅があり、
迅速に対応ができれば、賠責に関するトラブルも少なく、
オーナーにとっても、ありがたい改正内容となっているようです。
参考:『週刊 全国賃貸住宅新聞』6月21日号
■免責期間中に修理できる準備をしておく
ガイドラインを参考に、入居者から設備故障の連絡があった場合、
🙁 「自分ならばこの免責期間中に修理の手配ができるか」
考えてみましょう。
・入居者から管理会社(オーナー)の連絡をスムーズにしてもらえるか
・管理会社からオーナーへの連絡をスムーズにしてもらえるか
・業者と連携し、迅速な修理をとってもらえるような繋がりがあるか
・経年劣化での故障が考えられる場合、設備のストックができているか
また自然災害で設備が利用できないというケースも考えられるため、
そうした想定外のことがあった場合、いち早く入居者からヒアリングをし、
対応していく備えも必要です。
一番良いのは、入居者さんが突然の設備故障で困ったり、
オーナーさん自身が急に判断や出費をしたりしないためにも
・経年劣化が考えられる設備を早めに点検・交換する
・自然災害で起こりえる雨漏りや風災に悩まされないためにも
事前に建物診断や放置物の撤去などをする
など、事前の対応も重要になってきます。
オーナーさん自身も、建物も平時にきっちり、対策をしておきましょう!
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