
一般のおうちにある窓は「サッシ」と「ガラス」で構成されています。
ガラスを囲い、固定する枠である窓サッシは建造材の中でも長持ちしやすく、
寿命は20~30年が目安とされています。
しかし、日常的に開け閉めするところで、
メンテナンスを怠れば、当然ながら劣化は進みます。
劣化から、賃料の減額を求められた例を挙げると
掃き出し窓を閉めても隙間が発生し、隙間風が侵入して寒く、生活に支障をきたす
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問い合わせから一か月後に状況を確認した際、サッシに傾きがあり、入れ替えなければ解決しない
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入れ替え工事を行ったが、寒くて、満足に過ごせなかったと賃料の減額を求められた
隙間風が生じる建物を貸すことは、当然ながら、修繕義務に違反すると判断され、
賃料減額の要求に応じる必要が出てきます。
入居者としても、日頃使うところなので、不具合があればストレスもたまりがち。
劣化を放置すると、賃料・入居状況だけでなく
物件自体にダメージを与える深刻なケースもあります。
今回は、窓サッシのメンテナンスについてお伝えします。
■窓サッシの劣化を放置すると起こるトラブル
開閉できなくなる
経年劣化や気温の変化、建物の歪みでかかる圧力などによって、サッシが変形することがあります。
サッシや戸車が変形すると、レールとの間に生じる摩擦が大きくなり、
スムーズな開閉ができなくなってしまいます。
窓を開けるたびにストレスに思いますし、窓が締まらない、鍵がかけられないとなると、
虫や雨などの吹き込み、防犯面でも不安。クレームにもつながります。
遮音性、断熱性が損なわれる
窓ガラスと建物の間にある窓サッシは、遮音性や断熱性を高める役割も担うパーツです。
窓サッシが変形してすき間ができてしまうと、部屋の保温性が損なわれるほか、
すき間から音が漏れて、騒音にもつながります。
ガラスや窓全体が落下してしまう
劣化を放置して窓サッシの変形が進むと、窓ガラスが外れやすくなり、
事故につながる可能性も出て、非常に危険です。
見逃しがちですが、ゴムパッキンが劣化することで
窓ガラスが落下しやすくなってしまうことにも注意が必要です。
■窓のメンテナンス方法

経年劣化や災害などで窓サッシは劣化していきます。
できるだけ長持ちさせるためにも、退去のタイミングには
窓サッシも見直していかなくてはいけません。
清掃のポイント
・湿度の高い日の早朝、夕方がおすすめ
曇りの日や雨上がりの日など湿度の高い日は
ガラスに付着した汚れが浮き上がって掃除しやすくなります。
光が反射していると汚れが見えにくいので、夕方や早朝のお掃除がおすすめです。
・サッシ掃除の手順
汚れが多い外側から掃除します。窓サッシ→窓ガラス→網戸の順番で掃除しましょう。
まずは、掃除機でほこりを除去。細かいゴミは爪楊枝や歯ブラシで取り除きましょう。
あらかたゴミを取り終わったら、中性洗剤を薄めた水をサッシにかけ、
スポンジで汚れを落としていきます。
その後、水で流した後、乾いたぞうきんで拭きとり、サッシの掃除は完了です。
定期点検をする
目安としては10年に一度、工務店などに相談しましょう。
不具合が早めに見つかれば、部品の交換だけで済むかもしれません。
■部品交換でも対処
ゴムパッキン
窓サッシをガラスから外し、古いゴムパッキンを新しいものと交換します。
小さい窓であれば、自分自身で交換もできますが、確実に不備をなくすためにも
業者にお願いした方が良いでしょう。
戸車
動きが悪い場合は、戸車に原因があるかもしれません。
窓を外し、戸車を固定しているネジを緩めて、交換することができます。
カギ
経年劣化によりゆるんだり、締め付けが悪くなったりします。
今使用している品番と同じものを購入すれば、
自分自身でも取り付けができる部分です。
網戸
網戸はサッシよりも寿命が短いので、
穴が空いていたり、ゴムの劣化があれば、交換した方が良いでしょう。
穴が空いていれば、虫の侵入を許してしまいますし、見た目も悪いです。
カビが生えている場合は、部屋の中にもカビが入り込んでしまうこともあります。
窓サッシのメンテナンスは大家さん自身でも、できることがたくさんあります。
長期入居をされている方には、窓をよく開ける今の時期こそ
「なにか不具合はありませんか?」とお声掛けしてあげるといいですね。
また、内見の際、窓を開ける場合、少しでも違和感があると、
メンテナンスの行き届いていない物件を思われてしまいます。
退去の機会があれば、窓のサッシもしっかりメンテナンスして、次の入居者を迎えてあげましょう!