コロナ禍でペットを飼う人が一段と増え、
ついに新規の犬と猫の飼育数が人の出生数を超えたという話題を
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
ペットは大事な家族であり、飼育することで
情緒面の良化や運動量の増加などのいい影響もあると言われています。
ファミリー層では「子どもの遊び相手に」と新たに犬を飼う人も多く、
シニア層でも飼育支援サービスが広がりを見せているそう。
一方マンションオーナーにとって気になるのが「室内」で過ごすペットたちの事情。
令和5年 全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人ペットフード協会 調べ)を見てみると
「室内のみ」で飼育されている犬・猫はここ数年で増加の傾向を見せています。
「ペット可」にすることで、入居希望者は増やせますが、
一方で手間や修繕費がかかるのは事実。
今回は実際に賃貸でペットを飼っている方を対象にしたアンケートを見ながら、
入居者とオーナー様の折り合いを探ってみましょう。
【賃貸でペットを飼っている人への意識調査】男女413人アンケート ( 株式会社AlbaLink調べ)を
見てみましょう。
「飼っているペット」を聞いたところ、最も多かったのは「犬(173人)」、
次ぐ2位は「猫(126人)」でした。
今回のアンケートではペットの大きさは尋ねていないそうですが、
犬種を答えてくれた方からは「ミニチュアダックス」「トイプードル」などの回答が寄せられました。
冒頭の一般社団法人ペットフード協会の資料を見ると、
飼育されている犬の平均体重は7.34㎏。いわゆる小型犬の部類に入ります。
【POINT】犬のサイズについて
<超小型犬 成犬体重4㎏未満>チワワ、トイプードル、パピヨンなど
小型犬の中でも特に小柄なサイズです。マンションなどでも飼育しやすい犬種です。
<小型犬 成犬体重10kg未満>シーズー、柴犬、ミニチュアダックスフンドなど
マンションなどでも飼育しやすく、人気の犬種です。
小さくても元気で気が強い性質のある種類も多くみられます。
<中型犬 成犬体重25kg未満>ウェルシュコーギー、ビーグル、フレンチブルドッグなど
種類が豊富なのが中型犬。10㎏を超えると、多くのマンションでお断りされますが、
しつけによっては、十分マンションでも過ごせるので、「面接」などで
判断するのもひとつの手です。
<大型犬 成犬体重25kg以上>ゴールデンレトリーバー、シベリアンハスキー、セントバーナードなど
足音などがよく響き、共用部で抱きかかえて移動することができないなどの理由で、
基本的にはお断りすることが無難ですが、広さのある物件で、
共用部に犬がいることに他入居者が納得しているのであれば、
工夫次第で受け入れることはできるでしょう。
嫌厭されがちな1階お部屋をペット可で固め、ペットの足を洗えるような水栓なども設置すると、
喜ばれるかもしれません。
犬の飼育に関しては以下記事もぜひ参考にしてください。
続いて「賃貸でペットを飼うときに同意した条件」を見てみると、
1位になったのは「初期費用の増額(70人)」、次ぐ2位は「家賃の増額(47人)」、
3位「退去時の原状回復(15人)」と続きます。
一方「ペット可物件だったので、とくに追加の条件はなかった」と答えた人が
半数以上いらっしゃいました。
築年数が経っている、マンション全体が「ペット飼育前提」で
すでに金額が上乗せされている場合もあるのかもしれません。
<1位 初期費用の増額>
ペットを飼う場合、「敷金・礼金」「(ペット)保証金」などの
初期費用が高くなるケースが多いです。
ペットを飼うにはある程度お金に余裕が必要なので、
そういった審査代わりとしても、初期費用の増額は有効かと思います。
<2位 家賃の増額>
ペットの家賃と考えて、+3000~5000円が相場のようです。
飼育頭数に合わせて加算するケースもあるようです。
ペット飼育を前提として、足洗い場や防音性能などが整えられている物件については
さらに家賃が高めに設定されますが、納得して入居している人が多いようです。
<3位 退去時の原状回復>
ペットを飼っていると、どうしても部屋に傷がつきやすくなります。
契約に「ペットを飼育する場合、傷みの程度にかかわらず壁紙の張り替え費用を負担する」といった
特約をつけて、貸し出しするケースもあるようです。
「賃貸住宅でペットを飼うにあたって感じた悩み」の1位は「騒音トラブルが心配(141人)」でした。
2位「室内にキズや汚れをつけてしまう(89人)」、3位「臭いが気になる(25人)」と続きます。
ペット可物件ならば、この悩みを解決できるようなお部屋づくりを心掛けるとよいでしょう。
防音壁、防音床などにしてみたり、防汚・消臭効果のある壁紙にしてみたり…。
特に防音については、音楽やオンラインゲーム、配信などを楽しむ人たちに
大変人気があるので、ペットを飼う人以外の需要も高いと思います。
ペット飼育については、オーナー様なら一度は検討されているかと思いますが、
なかなか難しいのも事実です。
ただ、ニーズについては今後も増え続けているので、ぜひ過去記事なども参考に
「ペット飼育相談」から「ペット飼育可」物件として、バージョンアップしてみるのも
いかがでしょうか?