【広島県福山市】築39年木造アパート|カラーベスト屋根補修と外観デザイン刷新
- 施工エリア:広島県福山市
- 建物の構造:木造2階建
- 建物の築年数:1988年3月(築39年)
苔や色あせが目立つカラーベスト屋根と劣化した外壁を補修し、配色変更と室名札交換も実施。必要な修繕にデザイン提案を加え、築古感の払拭と外観の付加価値づくりにつなげた事例です。
依頼の経緯
木造アパートなどの切妻屋根は、普段屋根に上る機会がなく、地上から見上げるだけでは状態を確認しにくいため、「いつ補修すればよいのか分かりづらい」というご相談をよくいただきます。今回は、カラーベストの切妻屋根に現れた劣化サインも参考になる施工事例です。
物件は、広島県福山市に建つ築39年・木造2階建のアパートです。JR山陽本線の駅から徒歩圏にあり、生活施設が点在する住宅地にあります。
オーナー様は以前から外観の劣化を気にされており、1室の退去があったタイミングで大規模修繕のご相談をいただきました。オーナー様も認識されていたように、外壁にはひび割れや、手で触れると白い粉が付着するチョーキングが見られ、塗膜の劣化が進んでいました。
さらに建物診断時に屋根へ上がって状態を確認したところ、カラーベスト屋根には塵などの堆積物に加え、カビや苔が広がり、全体的な色あせも確認されました。カラーベストは表面塗膜の保護性能が低下すると水分が残りやすくなり、苔やカビが発生しやすい状態になります。そのため、屋根に苔や色あせが目立つようになったら、塗膜の劣化を疑い、点検や塗り替えを検討する一つのサインと考えられます。
また営業担当者は、築40年近くが経過し、建物全体に古い印象が出ていることも課題だと感じました。そこで、どうせ全面的に外壁塗装を行うのであれば、元の色に戻すだけではなく、配色を変えて外観そのものを刷新することをご提案。
オーナー様は当初、デザインを変更すると費用も上がると考えられていましたが、今回のように塗装面積や使用する塗料量が変わらなければ、色を変えること自体で塗装費が増えるわけではありません。室名札も合わせて見直し、必要な修繕にデザインの付加価値を加える計画としました。




当社からのご提案
当社からは、まず漏水などにつながるおそれのある屋根・外壁の劣化に対して必要な補修を行い、そのうえで塗装工事を外観のイメージチェンジにも活かす計画をご提案しました。
カラーベスト屋根の補修では、まず表面に付着した苔やカビ、汚れを高圧洗浄で入念に除去します。屋根材の状態を確認しながら、反りが大きい箇所については必要に応じて張り替えを検討し、その後、下塗り・中塗り・上塗りを行っていきます。
下塗りには既存の屋根材と仕上げ塗料の密着性を高める役割があり、中塗り・上塗りを重ねることで必要な塗膜厚を確保し、屋根材の表面を保護する役割があります。
【カラーベスト屋根補修の流れ】
- 〇表面の苔やカビ、汚れを入念に除去する
- 〇カラーベスト端部の縁切り処理を行い、雨水の排出経路を確保する
- 〇反りが大きい部分は、状態に応じてカラーベストの張り替えを行う
- 〇カラーベスト表面に塗膜を形成し、屋根材を保護する
棟板金の継ぎ目には、上から塗装できる変成シリコンを使用してシーリング処理を行います。変成シリコンは、補修後に塗装を行う屋根材や外壁などにも使用できるシーリング材です。似た製品としてホームセンターなどでもよく見かける「シリコンコーク」がありますが、一般的なシリコンコークは上から塗装すると塗料が密着しにくいため、後から塗装する箇所では材料の選定にも注意が必要です。
さらに、屋根材の重なり部分にはタスペーサーを挿入します。これは、塗装によってカラーベスト同士の隙間が塞がれるのを防ぎ、雨水を排出するための隙間を確保する「縁切り」のための部材です。屋根材の隙間が塗膜で塞がれると、内部へ入り込んだ雨水が抜けにくくなるため、雨水の滞留を防ぐうえでも重要なひと手間です。
意匠面では社内のデザイン部と連携し、淡いベージュ系だった外観に濃いグレー系を取り入れる配色へ変更しました。さらに、黄変や汚れによって古さが感じられた室名札も、金属調のオリジナルデザインへ交換。必要な修繕を行うだけで終わらせず、デザインの工夫を加えることで建物全体の印象も整えました。






施工後の効果
施工後は、苔やカビ、色あせが目立っていた屋根と雨樋を青緑系の落ち着いた色調で統一し、外壁は施工前の淡いベージュ系から濃いグレー系を取り入れた配色へ変更し、黄変や汚れで古さが感じられた室名札も、金属調のプレートに黒文字を配したオリジナルデザインとして作成しています。
屋根や外壁という大きな面だけでなく、入居者が日常的に目にする小さなサインまで合わせて見直したことで、築古感を払拭する外観となりました。
当社にはデザイン部があり、外観デザインの変更やカラーシミュレーションについては、デザイン提案そのものに別途費用をいただいていません。もちろん工事費は塗料のグレードや施工面積、補修範囲などによって変わりますが、同じ範囲を塗装するのであれば、既存色に戻すだけでなく配色を見直すことで、必要な修繕費を外観の印象改善にも活かせます。さらに今回は、室名札という比較的小さなパーツにも手を加え、建物全体のデザインを揃えました。
築古感を払拭する方法は、高額な設備を追加することだけではありません。屋根や外壁の修繕が必要になったタイミングで、外観デザインの変更や室名札の交換など、費用負担の小さい施策を取り入れることも、限られた修繕予算を付加価値づくりにつなげる一つの方法です。また、カラーベスト屋根では、苔やカビ、色あせが目立つようになったら、表面の保護性能が低下している可能性を考え、専門業者による点検を検討することも、修繕時期を見極める大切な判断材料になります。



施工ポイント
- カラーベストの防水性のが低下すると屋根自体に湿気を含む
- カラーベストに苔が生え出したら点検・補修の判断材料に
- タスペーサーで屋根材の排水経路「縁切り」のためのひと手間
- 漏水防止対策としてカラーベスト端部の縁切り処理を行う
- 棟板金の継ぎ目には、「シリコンコーク」の使用を避け「変成シリコン」を使用