【福岡県福岡市】築53年RC造3階建|爆裂補修と防水で躯体を守る大規模修繕
- 施工エリア:福岡県福岡市
- 建物の構造:RC造3階建
- 建物の築年数:1974年3月 (築53年)
築53年RC造で進行していた爆裂や大きなひび割れを下地から補修し、屋上・ベランダ防水と通気緩衝工法で水の侵入対策を実施。さらにカラーシミュレーションで外観も刷新した大規模修繕事例です。
依頼の経緯
RC造の場合、築50年を超えると、過去に修繕を重ねていても、外壁のひび割れや防水層・シーリングの劣化から水分が躯体内へ入り込み、表面の塗り替えだけでは対応できない劣化を招くことがあります。
今回の物件は、福岡県福岡市の丘陵地に広がる住宅地に建つ築53年・RC造3階建です。長く暮らされている方が多いエリアで、この物件にも長期入居されている方が多く、オーナー様からは「あと20年、建物が持ってくれれば」とのご要望があり、ご相談をいただきました。
建物を確認すると、白系の外壁に色あせや黒い筋状汚れが見られただけでなく、外壁の一部ではコンクリートが欠損し、内部の鉄筋が露出する「爆裂」が発生していました。そのほかにも、爆裂につながりかねない大きなひび割れが多数確認されました。また、腰窓外の鉄柵にも広範囲に錆が進行しており、これ以上劣化が進むと、見た目だけでなく鉄柵の強度にも影響しかねない状態でした。
53年間まったく修繕をしてこなかった建物ではありませんが、今回の状態は、美観だけを整える段階を超え、これ以上劣化が進めば部分補修だけでは対応しにくくなる一歩手前でした。そこで今回は、外壁の下地補修、錆が進んだ鉄部の補修、屋上・ベランダなど雨水の影響を受けやすい箇所の防水を優先し、まず建物そのものを守ることを主眼とした大規模修繕をご提案しました。






当社からのご提案
今回の工事で最も重視したのは、完成後には見えなくなる外壁の下地補修です。爆裂は、ひび割れなどから水分が入り、内部の鉄筋に錆が生じて膨張することで、周囲のコンクリートに亀裂が広がり、最終的に表面が押し出されるように剥落・欠損する症状です。そのため下地補修では、爆裂部や大きなひび割れ周辺の脆弱な部分を除去し、鉄筋が露出した箇所も含めて補修材で下地を丁寧に形成したうえで、新たに塗装を行いました。
ただし、傷んだ箇所だけを直しても、水の侵入が続けば再び同じような劣化を招くおそれがあります。そこで、屋上・ベランダの防水に加え、サッシまわりなどのシーリングも補修し、水を入りにくくする対策を建物全体で行いました。特に屋上は、すでに下地側へ水分が入っていたため、内部の湿気を逃がしやすい通気緩衝工法を採用しています。
建物保全を最優先としながらも、オーナー様から「せっかく大規模修繕をするなら、外観の印象も一新したい」とご相談いただき、カラーシミュレーションも実施。錆が進んでいた腰窓外の鉄柵などの鉄部補修とあわせ、建物を守る修繕と外観リノベーションを同時に進めました。






施工後の効果
施工後は、爆裂や大きなひび割れが生じていた外壁を下地から補修し、錆が進行していた鉄部についても、入念なケレン作業と錆止め処理を行ったうえで再塗装しました。さらに、屋上・ベランダには防水施工を行い、シーリングも補修。屋上では通気緩衝工法を採用し、内部に残る水分や湿気を考慮しながら、新たな防水層を形成しています。今回の工事では、目に見える外壁だけでなく、下地・防水・シーリング・鉄部まで一体で見直せたことが大きなポイントです。
そのうえで外観は、従来の白を基調とした配色から、カラーシミュレーションでオーナー様と施工後のイメージを共有しながら、ベージュ系をベースに縦の白いラインをアクセントとし、濃色の鉄部を組み合わせた外観デザインへ変更しました。
限られた予算の中でもオーナー様のご希望を取り入れ、建物保全だけで終わらず外観リノベーションまで実現したことで、仕上がりにもご満足いただきました。
築年数の進んだRC造では、色あせや汚れだけで修繕時期を判断せず、ひび割れや爆裂、防水の状態まで確認し、修繕可能な段階で下地補修と水の侵入対策をセットで考えることが重要です。今回の物件も、より早いタイミングで適切な補修を行えていれば、ここまで劣化が進む前に対応できた可能性があります。建物を長く維持していくためにも、定期的な診断と適切なタイミングでの補修が重要です。

施工ポイント
- 爆裂・大きなひび割れは下地から入念に補修
- 躯体への再浸水を防ぐため屋上・ベランダの防水とシーリングの補修
- 既に防水層の下に水が侵入している可能性があるため通気緩衝工法を採用
- 劣化サインを見逃さず早期の対応で劣化の進行を抑制
- 定期的な診断で劣化サインを把握