物件イメージ向上へ!駐輪場リニューアル

マンションの管理状況や入居者の質を見て取れるのが、ゴミ置き場や駐輪場といった共用部分。
本来、敷地内の駐輪場は部屋数を踏まえたうえで設置されているはずなのに、
そこが自転車でいっぱいになったり、無造作に停め置かれたり、
さらに停車できなくなった自転車が無造作に停められる…という悪循環が起こると
入居希望者はもちろん、すでに入居されている方にもいい印象を与えません

繁忙期前に一度駐輪場を見直してみませんか?

今回は駐輪場に寄せられる不満を考え、ポイントに合わせた
解決方法をご紹介します。

■駐車場に寄せられる不満
・駐輪台数不足
当初の予想より利用者が多い、電動自転車やチャイルドシート付の自転車で幅を取っている、
といった部分もありますが
多くは、放置自転車やルール無視の駐輪により、
スペースが圧迫されていることにあります。

・駐輪場の老朽化(自転車ラック、屋根、ラインなど)
建物同様、駐輪場も経年劣化していきます。
ラインが消えると、駐輪のルール違反にもつながります。
見た目はもちろん、強風などで屋根や壁が飛ぶなどの危険もあるため、
計画的に修繕していく必要があります。

・ルール無視の使い方
入居時に駐輪場のルールも指導しなければ、
雑な使い方をされてしまいます。
駐輪場を飛び出し、避難通路や共用部の廊下に放置されると、
消防上の問題もあり、棄権につながります。
またこちらもきっちりと駐輪台数、保有台数、利用区画などの把握ができないと、
効果的なリニューアルや改善につながりません。

・防犯への不安
雑多で暗い駐輪場では盗難やいたずらも増えます。
最悪、放火などの重大な事件につながることもあります。
自転車を停めた瞬間、不審者に襲われるなどの事件もあるので、
セキュリティ強化のためにも駐輪場の安全を見直した方がよいでしょう。

■まずは周知と現状把握
駐輪場の見直しをすることを住人に周知するとともにアンケートを取りましょう。

・放置自転車は処分する旨を伝える
・放置されている私物も撤去する旨を伝える
・本当に必要な駐輪台数を聞きだす(電動アシスト自転車、チャイルドシート付自転車の有無も確認)
・今後の自転車の購入見込みを聞く
・自身の自転車にはこちらで準備した駐輪シールを貼ってもらう

放置自転車を整理し、改めて、必要な駐輪場のボリューム感を考えましょう。

■入居者に合わせた利便性の良い駐輪場を考える
●スペースに余裕があれば平面式
安価で使いやすいのは平面式です。
入居者へ整理整頓を促すためには、ある程度の区切りが必要ですが、
電動自転車やチャイルドシート付自転車の場合は、必要とするスペースが違うので
入居者ターゲットに応じて、区切り方を考えましょう。

・白線引き
自転車1台あたり長さ1900mm・幅600mm、
電動自転車やチャイルドシート付自転車の駐輪場寸法は、長さ2000mm・幅700mm以上が理想的です。
子育て世帯が多ければ、広めに確保して、白線引きしていくとよいでしょう。

子育て世帯・カップルなど、単身以外の世帯が多い場合は部屋のタイプに合わせて、
駐輪スペースを確保し、ひと世帯ひと区画割り振るのも手です。

単身世帯でもバイクを所持している人にとって、広い駐輪スペースは魅力的です。

・スペースを抑えられるラック

スペースを抑えたい場合は、「傾斜ラック」「スライドラック」がおすすめ。
ともに自転車のハンドル干渉を避けて収容することで、収容効率を上げます。
傾斜ラック:固定式で隣り合うラックの高低差で自転車ハンドルの干渉を避けます。
スライドラック:左右に稼働するスライド式で、隣り合うラックの前後差でハンドル干渉を緩和。
        隣り合う自転車を動かして出し入れすることができます。
        メンテナンスのコストは傾斜ラックよりかかります。

・盗難防止の車止めバー

防犯効果が高いのが、車止めバー。
チェーンロックできるようになって自転車やバイクを守ることができます。
壁面やサイドパネルにタイヤが直接当たらないので、劣化防止にも役立ちます。


●駐輪場のスペースが狭く、入居者層が若いなら2段式ラック

自転車1台を収納するにはおおよそ、600mm必要だと言われています。
2段式ラックの場合、自転車1台当たりの幅は450㎜で収まり、
収納台数も現在の倍近くになります。
ただ、高齢者や子育て世帯が多いと、上段を利用されなくなり
エントランス周りに放置自転車が増えたりするケースもあります。

また、設置・修繕も平置きよりコストがかかります。

■駐輪場の防犯を考える
●施錠を徹底してもらう
手っ取り早い防犯はそれぞれの自転車に鍵をかけてもらうこと。
盗みやすい自転車が一つあるだけで、狩場と認識され、
複数回盗難の被害にあることもあります。

●道路に面した駐輪場は大量盗難に注意
最近、トラックを使って、駐輪場まるごと自転車を盗む、荒っぽい盗難も発生しています。
ラックや車止めに鍵をかけるなど、盗みにくそうな駐輪場づくりを心がけましょう。

●照明と監視カメラの設置
自転車だけでなく、入居者の安全を考えると、
照明と監視カメラ(ダミーも可)の設置は重要事項と言えます。
照明にも色々なタイプがあるので、一度夜に自物件を見に来て、
自分自身も安心できる物件づくりを心がけましょう。

かくゆう筆者も、過去に住んでいた物件は放置自転車でぎゅうぎゅうになった駐輪場で、
よくタイヤのキャップとバルブを盗まれ、パンクさせられるいたずらが頻出。
一か月に一度は自転車屋さんに行く羽目になり、マンションへかなりの不信感を持っていました。

安心できる駐輪場づくりは、入居付けも長期入居にも効果があります。

ぜひ一度見直してみてはいかがでしょうか?

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