リアルなお金事情から考える学生向け物件づくり

5月8日(月)に、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行。
多くの学校でも、マスクの着用義務や座席の間引きを解消し、
コロナ禍前の様子に戻ろうとしています。

大学でも対面授業を実施するところが多く、今年の学生繁忙期は
コロナ禍前の状態に戻りつつあったとのことです。

しかし、景気はなかなか回復せず、
家庭の懐事情と共に学生の懐事情はなかなかに厳しいようです。

今回は学生のお金事情を調べつつ、
学生向け物件に何が必要か考えてみました。22782568_s

■学生の経済状況
 💡 仕送り額
[参考:令和3年度「教育費負担の実態調査結果」(株)日本政策金融公調べ]
自宅外通学者への仕送り額は、年間平均95.8万円(月額7.9万円)
コロナ禍の前年よりは回復しましたが、
10万円以上仕送りしている世帯が減少しているとともに、
0~5万円の仕送りが微増しているところを見ると、
決して楽でない実情が見えてきます。
コロナ禍が明け、アルバイトを収入源にする人も増えてきました。
仕送り額の減少を食費・電話代等の減少で補っている人も多いようです。

 💡 自宅外通学を始めるための費用
[参考:令和3年度「教育費負担の実態調査結果」(株)日本政策金融公調べ]

敷金や家財道具の購入費等は
入学者1人当たり平均38.7万円(前年調査39.3万円)となりました。
学生向けの家具家電付の物件も増えていますが、
その分、家賃がかかる物件が多く、2年以上住むことを考えると
選択肢から外されることも多いようです。

 💡 平均家賃
[参考:2019年度「30歳未満の学生・社会人の部屋探しを徹底調査」アットホーム調べ]
地域によって2万5千~8万円と差がありますが
学生男性 4.5 万円、学生女性 5.1 万円というデータが出ています。
女性の方がセキュリティを重視する分、家賃が高くなる傾向にあるようです。

■学生が求める住まいの条件
・学生の親子ですれ違う住まいの条件
[参考:2022年3月 アットホーム調べ]
「初めての住まい探し(一人暮らし)で、学生の親子ですれ違う条件」ランキング

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学生は築浅でオシャレ、キレイな設備を望みますが、
親は予算やセキュリティーを重視し、対立しがちです。
また場所についても、親は学校に近いほうが交通費の節約にもなり良いと考えますが
実際に住む学生はバイト先や繁華街に近いエリアを希望します。

 💡 学生が最後まで重視した条件
[参考:2019年度「30歳未満の学生・社会人の部屋探しを徹底調査」アットホーム調べ]

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家賃以外で最後まで重視したことは、
「通勤・通学に便利」「間取り・広さ」がトップ 2。
学生女性は「セキュリ ティー」
男性は意外にも「日当たり・風通し」がランクインしました。
広さについては、広い!というより使い勝手が重要。
実際に住む間取りは1Kが最も多く、次にワンルームが続きます。
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重視した設備の 1 位は 男女ともに「独立したバス・トイレ」
畳が掃除や扱いが難しいイメージで「フローリング」も重要視されるところです。
また、「インターネット込」も男女ともに安定した人気があります。
設備にお金をかけたくないので、「エアコン」も人気が高いですね。

 ■ここは押さえたい!!学生向け物件
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 ➡ 優先すべきは独立したバス・トイレ、もしくはフローリング
 ➡ 設備ならインターネットエアコン優先
 ➡ セキュリティー強化はオートロックだけじゃない!
 エントランスや共用部(洗濯機置き場)、ゴミ捨て場の管理など
 総合的に安心できる物件づくり
 周辺環境で心配なことがあれば、自治会や町内会、交番などに相談も。
 ➡ 家賃は地域によるが4万円台を目安に

もちろん、家賃はお部屋を決めるうえで重要な要素となっていますが、
どの家庭もある程度予算は持っていて、
その予算から大きく離れなければ、条件重視で考える方多いようです。

学生向け物件において賃料の安さで優位性を図ることは
難しくなってきたと言えるでしょう。

原状回復のみの家賃2万円台の家よりも4万前後のリノベ物件から
先に満室となるケースも増えてきたとか…。

押さえるべきところをしっかり押さえて、
選ばれる学生向け物件をめざしてみてはいかがでしょうか?