ご存知ですか?!無断転貸について

民泊最盛期に、大きな問題となった入居者による無断の「転貸借」、
いわゆる「無断転貸」。

外国人入居者や若い人の中には、無断転貸が問題であることを知らずに、
友人やシェアアプリなどを使って部屋を又貸しするケースもあります。

さらに悪質なケースとしては、
借りるときの単価より貸すときの単価が高ければ儲かるとして、
違法と知りながら無断転貸をしているケースも。

転貸借をするには必ず家主様との契約を交わすことが必須です。
無断転貸をしていた場合、どのような対応ができるのかを考えてみました。 


【転貸借とは】
建物や部屋を借り受けた人が別の人に貸すという行為です。
いわゆる「又貸し」ともいいます。
借りるときの単価より貸すときの単価が高ければ、儲けをだすことができます。

■転貸するには
法律的には勝手に好きなようにやって良いということにはなっていません。
転貸するには賃貸人の承諾が必要です。
賃貸借契約は売買契約などとは異なり、1回で終了する取引ではなく、
長期間にわたり継続することが前提になっています。
また賃貸人は、賃借人の属性(法人か個人か、その人柄、賃料支払い能力など)を
考慮して契約を結びます。
このように、賃貸借契約当事者の信頼関係を基礎に置いた契約関係
言えるので、賃貸人の承諾が要件となっています。

■契約を交わさないまま、転貸していた場合
賃貸契約を交わした入居者がもし第三者に賃借物の使用や収益をさせていた場合、
家主様は入居者との契約を解除することができます。
賃貸借契約とは、当事者間の信頼関係を基礎とする継続的契約であるから、
契約を解除するには賃借人に債務の不履行があるだけでは足りず、
原則として「信頼関係」が破壊されたといえる場合にのみ解除が認められます。
これを、「信頼関係破壊」の法理といいます。
また、無断転貸とまではいえず、
賃借人と一緒に居住しているような場合においても、
賃貸借契約上、居住者や居住人数の限定等がある場合には同様の問題が生じます。

※しかし、最高裁昭和28年9月25日の判決によると、
入居者の行為がやむを得えず、認めるに足らない事情がある場合においては
解除権は発生しません。
賃借人が親族などに転貸していた場合など、
背信的行為とまではいえない事情がある場合には、
信頼関係が破壊されていないと評価されて
賃貸借契約の解除ができない場合があります。

■転借人が過失を起こした場合の責任は?
転貸人は、原賃貸人との関係では賃借人の立場になることから、
転借人は賃借人(転貸人)の故意・過失と同視され、
転借人の過失により賃貸物件を焼失した場合、
原賃貸人との関係では賃借人(転貸人)の責任となります。

自身が所有する物件を無断転貸でされた場合
多くの問題点が内包することになります。
賃貸人と賃借人の信頼関係が崩壊していなければ、
賃貸借契約を解除することはできないという判例も出されていることには
注意が必要です。
(事業用のテナントなどでは、こうした判例も多いようです)

【無断転賃が発覚!オーナーがすべきことは】
発覚してからではなく、無断転貸が疑われる段階で相談することが大事です。
転貸状態を解消させること目的とした場合、民法第612条をもとに、契約解除をすることが可能となるため、無断転貸の問題が発覚した場合は、貸主・不動産のオーナー様は速やかに弁護士または、専門家に相談しましょう。
➡ 借主も無断転貸の事実を否定することからはじまり、信頼関係破壊の法理でもって対抗してくるため、専門家による戦略的な対応が必要になると考えられます。

※注意すべき点※
専門家に任せるから問題ないと考えて遅い対応をしてしまうと、黙示の承認が認められてしまう可能性があるので、すばやい対応をしなければなりません。

💡 無断転貸を予防するためには
無断転貸が起こらないように契約書をしっかりと制作しましょう。
放置すればするだけ対応が難しくなるので、すばやく、かつ専門的な対応をすることが勧められます。こちらもまた、専門家に相談して制作したほうがよいでしょう。
賃貸借契約書に無断転貸や無断譲渡を禁止する旨をしっかりと盛り込み、貸す前に周知することも大切です。
 ➡ 転貸を考えている場合は、事前に通知することを義務付けるとともに、違反行為があった場合は契約解除をする旨を契約書に書いておけば、無断転貸も起こりにくく、万が一の際は解決の手助けにもなります。契約書を制作する際、しっかり専門家か弁護士に相談しましょう。 

 

 😉 そもそも、怪しい人に貸し出さないということも方法のひとつです。
入居審査の段階で、申込書や提出書類、勤め先などや賃料を判断して、情報の整合性がとれないようならば、入居を断ることも必要となります。
されてしまった後に対応することも重要ですが、予防を心がけることも重要です。

転貸されて誰が住んでいるのかわからない場合、
そこに反社会勢力や、性風俗関係者、
不法滞在外国人が寝泊まりしている可能性もあるので、
日頃から賃貸人とコミュニケーションをとり、
住人についてしっかりと把握しておくことも大事なのですよ 😀