玄関扉を開ける前に、来訪者のことを確認できるインターホンは
今や大半の賃貸住宅に導入されている設備です。
今、インターホンと一口に言っても、その機能は様々で、
音声通話のみのもの、テレビモニター付き、録画・自動応対など
様々な機能が賃貸住宅にも採用されています。
では自物件にはどんなインターホンを設置すればいいのか。
インターホンの種類とそのメリットから考えてみましょう。
💡 インターホンの寿命は15年?
インターホン工業会では、集合住宅用のインターネット設備について
15年での更新を推奨しています。
インターホンの製造者は商品が生産終了してから7年間は
部品を保管する義務があります。
同じインターホンを使い続けることは急な故障のリスクが高まり、
入居者に不便さを強いかねません。
またインターホンのプラスチックは経年劣化で黄ばんでくることもあるので、
見た目からして、古い印象を与えてしまいます。
全戸の設備を交換するか、空室・インターホンが壊れた部屋から交換するかなど
交換するタイミングについても悩みどころです。
しかし設置してから15年も経ったインターホンは
時代のニーズにも合わないところがありますし、
入居者の満足度の低下や空室時入居に結び付かない理由の
ひとつになることもあります。
設置から15年を目安に、リニューアルの検討をぜひしてください。
宅内工事になり、交換には入居者の協力が必要になってきますが、
クーラーと同様、リニューアルを喜んでいただける設備のはずです。
➡ インターホンの種類
■音声通話のみ
シンプルな分、コストを安価に抑えることができます。
■テレビモニター付き
近年需要が高まっており、特にファミリー・女性からは
防犯のためにつけてほしいという意見が多いです。
・カラーかモノクロか 、高画質か
かつてはモノクロが主流でしたが、近年ではカラーのインターホンが
定番になってきました。
高画質の方が、人の顔などがはっきり見えてよいですが、
賃貸物件に導入するものであれば、そこまでこだわる必要はないかと思います。
・録画機能付き
こちらも最新のものであれば、スタンダードになりつつあります。
不在の際も来訪者を録画することができるので、
下見に来た空き巣や不審者がいれば、いち早く気付くこともできます。
「証拠に残る」ことで防犯性も高く、女性や子供、お年寄りがいるおうちにとっては
入居の決め手になりうる機能です。
・自動応対機能(留守番機能)
あらかじめ設定した音声で来訪者に応対することができます。
セールスマン対策に留守番電話のように
「ピーとなった後にご用件をお話しください」と対応したり、
女性の一人暮らし・子どもが留守番をしているということを
知られたくないという人の中には男性の声を吹き込み
防犯対策にしている人もいるそうです。
💡 いまどき連携機能
様々な設備との連携機能があるインターホンもあります。
ただこうした設備と連携するには、本体も工事費、設備更新費も
なかなかかかってしまうので、賃貸であれば優先度は低めです。
・防犯カメラと連携
ベランダなどに設置した防犯カメラの映像を居室のモニターから
確認することができます。
・火災警報器と連携
警報器が作動した場合、玄関外のインターホンから住居外の人たちに向かって
火事が起きていることを知らせます。
火事に早期に気付いてもらい、被害を小さくすることができます。
・宅配ボックスと連携
宅配ボックスに荷物が届くと居室のモニターに
着荷表示画面と音声で知らせてくれたり、
帰宅時に解錠しようとすると集合玄関機に着荷が表示され、
荷物が届いたことをエントランスで確認できる機能があります。
💡 既存物件向き製品・配線方法も様々!
従来の電話回線だけでなく、
インターネット回線の無線LANを活用する商品もあります。
無線LANの場合、配線工事も必要がないため
既存物件にも設置が容易です。
また室内に設置するモニターをスマートフォンで代用する機器もあり、
外出中にも対応が可能です。
室内の子機が置き型のものであれば、工事は玄関部だけで対応可能。
入居中でもインターホンを取り換えることができます。
工事業者を使わず設置ができるものも出てきているので、
そういうことが得意なオーナーさんであれば、活用してもいいですね。
一般住宅では広く普及しているモニター付きインターホンですが、
賃貸ポータルサイトで「モニター付きインターホン」の選択肢があり、
そこをチェックすると物件がグッと絞られるエリアもあります。
電話だけのインターホンは低コストですが、
空室対策・設備の入れ替え時期には
モニター付きのインターホンを検討した方がよいでしょう。
特に賃料がお手頃で、築年数が経っているアパート・小規模マンションであれば
モニター付きインターホンは、物件の差別化・入居の決め手に十分になりえます。
女性と子ども、特にシングルマザーがターゲットになっている場合は
必ずモニター付きインターホンは導入した方がよいでしょう。
設置方法も配線の仕方も増えています。
予算と建物の状況に合わせて、ベストなインターホンを選びましょう!