事故事例から考える…共用部のサビに注意!

10月17日夕方、北海道苫小牧市でアパートの2階の外廊下の床が抜けて
乳児を含んだ5人が転落。病院に運ばれました。
幸いなことに命に別状はありませんでしたが、入居者にけがをさせてしまう
大変な事故です。

原因は鉄製の床が錆によって傷み、
人の重量に耐え切れずに落ちたこととみられます。

あなたのマンションはどうですか?
今回は物件の鉄骨部分の錆による腐食について改めてお伝えします。
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 鉄部は5年経てばメンテナンスを検討すべきと言われています。
鉄部を保護している塗装は5~7年ほど経つと保護機能が低下するうえ、
入居者だけでもなく郵便・宅配業者などさまざまな人が通る場所なので、
その分劣化のスピードも速いです。
サビは発生するとどんどん広がるので、
20年後以降には必ず修繕が必要と言われている箇所です。

サビは広がると同時に、塗装も剥がれてむき出しになってしまうので、
さらにサビを進行させてしまい、
階段全体がもろくなって見栄えも悪くなってしまいます。
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このような状態だと、入居者はもちろん、内見者にも不安を与えるので、
早急に対応を考えていくべきです。

また、サビの状態が進行すると、サビが発生した部分以外にも
影響があります。

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サビに雨水が触れると、サビの成分が含まれた茶色い水、
いわゆるサビ汁が発生します。
この水が伝うと、そのまま茶色く汚れて付着し、なかなか落ちない汚れになります。

入居者さんの持ち物を汚すこともあり、
クレームにつながりかねない状態です。

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また他の鉄部にもサビが広がる危険もあります。

サビの浸食が進むと、最終的に穴があくなど、ボロボロになってしまいます。
ほかとの接触部分にも隙間ができていることもあります。
こうなってしまうと、前記のような事故が起こる危険が発生するのです。

■鉄部のサビと補修の手順
①ケレン
塗装前に汚れやサビを落とす作業です。ここがおそろかであると、
再びサビが広がりかねないので、とても大事な作業になります。
(1)劣化塗膜の除去
浮き、ワレ、ハガレ、フクレている塗膜を除去します。
サビがなく、素地にしっかり密着している塗膜はそのまま残すこともあります。
(2)サビの除去
ワイヤーブラシ、サンドペーパーなどの手ケレン、
電動工具による除去などで入念に錆を除去します。
(3)清浄
除去した汚れを拭きとります。
付着物を残したまま塗装すると密着性が低下します。

②サビ止め処理
ケレンが終わると、下塗り工程に映ります。
サビ止めの効果がある塗料を塗っていきます。
サビ止め塗料は下地への密着力やサビの抑制効果には優れていますが、
紫外線には非常に弱く、このままだとすぐ劣化してしまいます。

③上塗り
サビ止め塗料を保護するため、上塗りを施します。
2回ほど塗るのが適正と言われています。
これが目に見える色部分になるので、暗闇でも見やすく、
段がしっかり分かる色を選びましょう。

他にも鉄部とコンクリート部分に隙間があれば、
その隙間を埋め、ネジなどを閉めなおします。

修繕時には階段の蹴込み板を追加したり、
滑り止めを追加される方もいらっしゃいます。
修繕の際は、美観と入居者の安全を考え、こうした対応も考えていきたいですね

今回のような  事故が起こると、
民法717条に沿い、所有物件の「保存の瑕疵(かし)」、つまり
維持管理を放置したことに基づく所有者の責任を問われることになります。

どうしても修繕・管理が間に合わないということもあるかもしれません。
こうした場合は賠償をカバーする保険もありますので、
念のためチェックしておきましょう。

今回事故が起こった物件は築25年を過ぎていたうえ、
苫小牧は海が近く、塩害のせいもあり、
金属がかなり腐食していたと考えられています。

管理会社はオーナーさんに何度か修繕のお話もされたそうですが、
結局対応されず、今回の事故が起こってしまいました。

「今まで大丈夫だったから…」
「同じ頃に建てた別の物件はそんなことない」
「お金がなくてすぐに直せない」
「大げさに言っているだけだろう」

色々なお考えがあるとは思いますが、
実際にこうした事故も起こっていることをしっかりと知りながら、
改めてご自身の物件を見直してみて下さい。

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