人気の裏でクレームの多い設備「ネット無料」「宅配ボックス」

人気設備ランキングに必ず登場する
「インターネット無料」「宅配ボックス」

人気で「使用したい 🙂 」「これがあるから、このマンションがいい 😛 」と
決め手になるからこそ、クレームも多い設備になっています。

今回はどんなクレームが多いか、またどのように解決していけばよいか
調べてみました。


 💡 コロナ禍以降インターネットのクレームが増えている
テレワークやオンライン講義の普及・定着、
Amazonプライム、Netflix、U-NEXTなどの動画配信サービスの普及、
オンラインゲームの普及などインターネットを利用する人は年々増え、
総務省が2020年5月に発表した「通信利用動向調査」の公開値を見ると、
13歳以降は60代前半までは9割強の利用率となっています。

クレームのほとんどが「データのダウンロードが遅い」
「動画が途中で止まる」「ゲームに接続できない」など、
通信速度にかかわることだといわれています。

「インターネット無料」をうたい文句に早期で導入したところほど、
現在のインターネットを取り巻く状況の中で、カバーできず、
クレームが多くなっているように思います。

ネット導入で気になる物件の通信速度でも解説しましたが、
特に回線を共有しているLAN配線方式や共用部Wi-Fi設置型は
大人数が一度に利用すると速度が遅くなる仕組みです。
入居者の費用負担がない「インターネット無料」物件では、
こうした安価な方式でのインターネット設備が多く、
「無料のサービスなので、品質が劣ります 😐 」と説明せざるを得ない状況です。

ただ、仕事や学業など、インターネットを
安定して使えないと困るという人もいます。

また今回のことで「インターネット無料」物件の弱みが広く知られ、
「インターネットの通信速度」を理由に退去する人がいる一方で
それを理由に入居を決める人も出てくるはずです。

もちろん、工事をして、回線を強化することが望ましいですが、
工事がすぐできない、施工が難しい建物もあります。
解決の役に立つよう、対応事例を調べてみました。

■緊急性が高い場合は、通信環境が安定している空き室を案内する
仕事や学業など急を要する場合は、必要な時だけ空き室を案内して、
その場をしのいだという方がいました。
全室の工事が難しければ、インターネット環境を整えた
シェアスペース・レンタルスペースを用意して、
入居者には安価で貸すなどというサービスもありかもしれません。

■個人負担でネット回線を強化してもらう
入居者の中にはネット回線の強化が不要な人もいらっしゃいます。
あくまで無料の中で提供している設備と割り切ってもらい、
個人負担でインターネットの加入プランを変えてもらうか、
回線の工事を追加でしてもらうか…
あるいは工事不要のインターネットルーターを購入してもらうのも一つの手です。

「インターネット無料」は確かに入居促進に一役買ってくれますが、
求めている回線速度に満たない設備だとクレームの原因になります。
・光回線を導入し、個人にあったプランに契約できるよう案内する
・回線速度が速い住宅であることをPR。インターネットの使用料などを求める
など「インターネット有料」物件というやり方もひとつなのかもしれません。

 

 💡  他の人が使っていて宅配ボックスが使用できない!
宅配ボックスにかかわるクレーム内容で多いのが
「常に誰かが使用していて空きがない 👿 」という
ボックス独占利用に関する不満。
どうしてこのようなことが起こってしまうのか
原因を見つけ、解決策を考えてみましょう。

■全住戸に対して、ボックスの導入数が少ない
住戸数と同じ分だけ宅配ボックスが設置している物件は、少ないと思います。
大手宅配ボックスの情報を見ると、住戸数の20~30%が目安になっているようです。
8戸だと2個。20戸だと4~6個が目安といわれています。
しかし、なかなか荷物をとらない人や一人で複数ボックスを使っている人もいて、
「常に誰かが使用中で空きがない! 👿 」
というクレームに発展することも、珍しくはありません。
使用できない日が続くほど、退去の引き金になってしまうので、
早めに対応しましょう。

■荷物を放置している人を確認する
荷物を放置する理由として多いのは
「郵便受けを確認する習慣がない人が不在表に気付かない」
「人からの贈り物を本人が気付かない」
など荷物が届いていることに気付いていない人がいます。

こういう問題があることも考えて、クレームになる前に、
定期的に宅配ボックスの利用状況を確認。
長期の使用が考えられる場合は、マスターキーなどで取り出し、
直接入居者へ注意を促すことが必要です。

■宅配ボックスの不正使用には厳しく対応
空の宅配ボックスに鍵がかかっている場合は、
不正使用を疑ってください。
・入居者の不正使用>いつでも自由に使えるよう確保し、
 配達員に「〇番をこの暗証番号で開けて、荷物をいれてください」と
 指示している
・配送事業者の不正使用>再配達を減らしたい事業者が、
 自分の配達物を入れるようにボックスを空のまま鍵をして確保している

このようなケースは地道に犯人捜しをするしかありません。
できれば防犯カメラの設置が望ましいでしょう。
ポストと宅配ボックスが近くにあれば、郵便物の盗難も防ぐことができて
セキュリティもグッと高くなります。

 

クレームが入ると言う事は、それだけ
需要の高い設備であることは間違いありません。
せっかく、入ってくれた入居者のニーズをきっちり満たすように
どんな設備もこまめにチェック、メンテナンスが必要。
しっかり対応していきましょう。