今新型コロナウイルス感染症への対策として、
自宅で過ごす時間が増えたことで、インターネットを利用する人が急増。
そのせいで「通信速度」が遅くなったと感じる人が多かったそうです。
J.D.パワージャパンの調査によると、3月下旬〜4月上旬の期間に
モバイルルータ、ワイヤレスホームルータはともに
「通信品質・エリア」の満足度が前年の調査よりも低下しています。
Wi-Fiルータのユーザーの間で多く使われているサービスは
「動画や映像サービスの視聴」(9割以上)、
「オンラインストレージの利用」(約8割)など。
いずれも、通信量の多いサービスで、新規需要の高まりで利用が増え、
これに伴い、通信速度制限を経験した利用者が昨年よりも増加。
動画視聴時の速度低下やつながりにくさなども不満の原因になったようです。
テレビよりスマホ!ネット環境の満足度がポイント!でもお伝えした通り、
今後は在宅勤務やリモートワークも普及し、駅近物件でなくても
・買い物がしやすい ・インターネット環境が充実している という条件が揃えば
十分、競争力のある物件に生まれ変わることも夢ではありません。
今回は、どの程度のインターネットを導入すれば、
不満の少ない物件になるか、考えてみました。
■回線方式によって変わる速度
アパート向けインターネット無料の回線方式には大まかに分けて、
次のものがあります。
参考:賃貸住宅新聞
①LAN配線方式(光回線LANケーブルシェアード型)
建物に引き込んだ光回線をハブと呼ばれる接続機器を介して、
各戸まで、有線LAN(ケーブル)を引き込みます。
安定した通信速度を確保することができますが、
導入するための回線工事が必要で1か月は期間を見ないといけないこともあります。
またスマホなどで使用するための無線Wi-Fiは、有線LANケーブルの接続口に
無線Wi-Fiのルーターを接続しないと使用できないので、
めんどくさがられることもあるかもしれません。
またみんながインターネットを使用する夜などには
通信速度が遅くなることもあります。
戸数が少ないアパートやシニア世代が多い物件ならば対応できるかもしれません。
提供会社も多く、料金プランも多様なので、きっちり吟味して決めたいですね。
②光配線方式
これは光回線をそのまま各戸まで入するタイプ。
1世帯で独占できるため、距離や機器、各居室の使用状況などに
影響を受けずインターネットを使用ができます。
月額費用は『ケーブルシェアード型』に比べて2~3倍と言われていますが
その分、どんな方もスムーズにインターネットを利用することができます。
③VDSL配線方式
マンションやアパートなどの集合住宅で使用される光回線の方式の1つです。
通信時に利用される物理的な配線は光ファイバーと電話回線を利用します。
つまり電線から集合住宅の共用スペースまでは光ファイバー、
共用スペースから自宅の部屋までは電話回線(メタル回線)を利用します。
④ケーブルテレビ同軸配線方式
周辺地域の物件を集約して通信しており、
物件へのインターネットの接続は既存のテレビアンテナ線を利用しています。
配線工事が要らず、初期費用を抑え、
工事を1日と短工期で導入できる一方、回線速度が320Mまでと遅いです。
ただ、ケーブルテレビと一緒に契約する方も多く、
アパートなどの戸数が少ない物件であれば、セットで案内するのも手です。
⑤共用部Wi-Fi設置型
建物から無線wifiの電波を出して、各部屋まで届けるやり方です。
このやり方のいい所は、宅内工事が不要なので、入居者様の都合を考えずに
導入工事が可能。導入までの時間が短いです。
『光回線LANケーブルシェアード型』に比べて
20%ほど初期費用を抑えることができるのも魅力。
お客様はなんの準備もせず、引っ越した日からインターネットを利用できます。
建物の壁やベランダに無線LANルーターを設置し、
回線をその無線LANルーターに接続します。
無線LANルーターから各部屋まではWi-Fi電波を飛ばします。
そのため、壁が厚かったり、部屋によっては通信速度が弱いこともあります。
電波の遮断が少ない木造の集合住宅に適しており、
30戸以上や鉄筋コンクリート造の建物には不向き。有線LANより不安定でセキュリティもやや脆弱ですが、
インターネットをつなぐ場所を選ばないことやお手軽さが選ばれる理由になります。
■どれを選ぶべきか
今や「インターネット無料」は空室対策の柱となっており、
検索でもチェックされることが多くなっています。
入れ替わりの激しい学生、独り身向けであるならば、使い勝手の良い無線LAN。
長期入居のファミリー層やインターネットを活用するお仕事・趣味を持っている人にPRしたいのであれば速度の速い有線LANを選ぶほうが良いでしょう。
やはり安定して各戸「1Gbps」を専有できれば最高ですし
共有しても大きな不満はないと思います。
逆に回線が「200Mbps以下」である場合は、速さに期待はできず、
不満もでるかもしれません。
各戸1Gbpsを確保している物件は
そのことをPRすると注目度もアップするかもしれません。
自分の物件の入居者の属性と物件の状態を考え、
適切なインターネットの接続方法を選びましょう。