賃貸住宅管理を巡る問題への対応策として
「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」(賃貸管理業適正化法案)が
6月12日、法案成立という形になりました。
サブリース業者と家主間の賃貸借契約の適正化のための措置は12月。
賃貸住宅管理業者の登録制度は2021年6月に施行される予定です。
現在「かぼちゃの馬車事件」のような
リスクを十分な説明をしないまま契約を迫る
危ういサブリース業者もはびこっていますが、
これからは、それらもしっかり管理・監督されていきます。
大家さんにとっても、トラブルを防ぐことができる
「賃貸管理業適正化法」について紹介します。
■今まで法整備がされていなかった賃貸管理業
賃貸仲介は宅建業法のもと、重説をやらなければいけないかったり、
報酬の上限が決まっていたりと、ルールが設定されています。
しかし、客付けを終えた後の賃貸管理については、
宅建業法のような特定業種の営業を律するルールがありませんでした。
2011年には国土交通省で賃貸不動産管理業務を適正に運営し、
賃貸人(貸し主)と賃借人(借り主)の利益を保護するための
「賃貸住宅管理業者登録制度」が施行。
登録業者にはシンボルマークの使用が認められ、
管理業務の適正化が進んでいきましたが、
登録自体は任意に留まり、強制力はありませんでした。
登録している業者は平成30年3月末現在で4065。
民営の賃貸住宅は約1458万戸あるといわれていますが、
登録業者が管理しているのは半数にあたる約723万戸。
多いとは決して言えません。
■賃貸住宅管理業者の登録制度を新設。適正な運営を確保
賃貸住宅管理業務を行う事業者については、国土交通大臣の登録が義務となります。
(管理戸数が一定規模未満の事業者については除外)
具体的には以下のことが義務付けられます。
💡 業務管理者として、事業者ごとに
賃貸住宅管理の知識・経験を有するものを配置
(賃貸不動産経営管理士や宅地建物取引士などの有資格者が検討されている)
💡 管理受託契約締結前の重要事項の説明
💡 管理する家賃と事業者固有の財産の分別管理
💡 業務の実施等についての定期報告
登録制度については施工後1年間の猶予があります。
今後は管理会社がきちんと登録されているか確認して、選ぶことができて、安心です。
■サブリース業者には契約書面発行・行動規制も明記
全国に1万2000社程度あるとみられる業者のうち、
登録は約4500社にとどまっています。
サブリース契約では
・家賃保証をうたい文句に、賃貸住宅を新築させる。
・当初の想定より入居率が低いことを理由に一方的に賃料減額や解約を迫る。
・サブリース業者が破産手続開始決定を受け、管理されない物件が出てくる
などの問題があり、大家さんだけでなく、
賃貸経営初心者の兼業大家さんも被害にあいました。
💡 サブリース業者と大家のトラブル
国交省の「賃貸住宅管理委業務に関するアンケート調査」
法律案には、「特定賃貸契約(仮称)の適正化」という言葉があり、
これがサブリースのことを指していると思われます。
◇家主に対して将来の家賃変動や当初設定した
家賃の根拠を示していくことなど契約条件を明記した書面の発行
◇重要事項の説明
◇勧誘行為に関する規制
などの行為規制を設けるものと見られています。
管理会社には、なかなか負担のかかる内容になっていますが、
オーナーにとっては、管理会社を知る絶好のチャンスです!
あなたのお付き合いのある管理会社はどうなのか。
改めて、確認してみるのもいいでしょう。