区分マンションを経営されているオーナー様必見!!
今回は、裁判で争われることも多いケース 😯
「もしも区分所有している部屋で、漏水事故が起きた時…」
水漏れの原因箇所により、損害賠償責任が変わってきます。
漏水箇所は、専用部分なのか?それとも共用部分なのか?
実際のご相談内容や裁判ケースを踏まえて、ご紹介致します 🙂 !
是非、ご参考に。
◆マンションにおける漏水事故が起きた場合、
責任は区分所有者にあるのか!?
💡 ポイント 💡
まずは漏水箇所を特定する
<水漏れ箇所>
漏水箇所が専有部分か共用部分で、責任の対象が異なってくる。
専用部分 ➡ 各区分所有者の責任(区分所有法第6条)
共用部分 ➡ 管理組合の責任(最終的には全区分所有者間でその持ち分に応じて損害が分担される)
ただ…
漏水箇所が専有部分なのか共用部分なのか
わからないときの対応が問題となってきます。
判別の仕方には、原則と例外があります。
原則 ➡ 各住戸に通ずる枝管は専有部分
例外 ➡ 枝管でもその設置場所や構造の具体的な状況によっては共用部分になる。
>水漏れ箇所が本管の場合
本管(部屋の真下を通っている排水管の枝管)は専有部分に該当しそうですが、
構造などによっては判断が異なって共用部分と判断されることもあります。
<トラブルに備えるには>
管理組合の規定で、あらかじめ責任の範囲を取り決めると良いでしょう。
どちらの費用負担になるか、トラブルになった例を見て見ましょう。
【ご相談内容】
マンションの1室を所有し、その部屋を賃貸している中、真下の部屋の住人Yさんから、天井から水漏れしていると管理会社を通じて連絡がありました。
水漏れ箇所は、管理している部屋の真下(階下の部屋の天井裏)を通っている排水管の破損であることが判明しました。
今回の水漏れにより、部屋の備品や床が浸水したとの事で、しばらくホテル暮らしを余儀なくされたようです。私はこの部屋を使用していないのですが、この場合Yさんに対して、責任を負うのでしょうか 🙁
💡 実際にあった裁判ケースをご紹介します 💡
区分所有建物の部屋から出る汚水が、その床下にあるコンクリートスラブ(床の荷重を支える鉄筋コンクリート造の床)を貫通し、その階下の部屋の天井裏に設置されている枝管を通じて、共用部分である本管に流されるという構造になっている事案において、漏水の原因となった破損した枝管が、専有部分に属するのか、それとも共用部分に属するのかが、実際に争われたケースがあります。
【判決】
最高裁判決は、漏水が生じた排水管が、コンクリートスラブの下にあり、上の部屋から当該排水管の点検、修理を行うことは不可能であり、階下の部屋からその天井板の裏に入ってこれを実施するほか方法はないことを理由として、配管が共用部分に属することを認めました。したがって、区分所有者の損害賠償責任は否定されました。
最高裁判決から、この問題については、本管は共用部分であり、本管から分岐して各住戸に通ずる枝管は専有部分であることを原則とし、例外的に、枝管であってもその設置場所や構造の具体的な状況によっては、共用部分に該当することがあると考えることになります。したがって、マンションの構造等によっては判断が異なる可能性も否定できないため、この点については留意する必要があります。
◆このようなトラブルを未然に防ぐためには、どうすれば?
💡 誰が、どのような責任を負うのか、
あらかじめ明らかにしておくことが大切です。
管理組合の規定によってはどの部分を専有部分とするのか、共用部分とするのかを具体的に明記している場合もあるため確認をしておくことが望ましいでしょう。
なお、「区分所有法第9条では、建物の設置または保存に瑕疵があることによって、
他人に損害を生じたときは、その瑕疵は共用部分にあるもの」と推定しています。
そして、この規定は欠落部分がどこかにあるのか不明の場合を前提としていますが、
欠落部分が明らかだけれどそれが共用部分なのか専有部分なのか不明である場合にも適用があると考えられています。
そのため、管理組合などがこの推定を覆すために、立証する必要があるのも知っておくとよいでしょう。
以上のように、自分が責任を負う範囲を管理組合規定などしっかり把握し、
明確にしておくことが大切です。
でも、出来るだけ事故が起きる前に早目の行動をおすすめ致します!
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