空気が乾燥しだすこれからの時期、徐々に火災発生の数が多くなってきます。
実は火事が多いのは2月から春にかけての『乾燥』『強風』が重なる時期。
今から対策をしても十分間に合います。
👿 火事を出せば、七代先まで恨まれる… 👿
という言葉があるように、火事で負った被害は取り返しがつきません。
大切な物件はもちろん、入居者の方みなさんが安心して過ごせるような
被災防止の設備はちゃんと整っていますか?
今回は火災の恐ろしさや発生状況をお伝えするとともに、
今確認しておきたい火災防止設備のアレコレについてお知らせいたします。
令和元年9月消防庁が発表した「平成30年(1~12月)における火災状況」を見ると
出火件数は年々減少しているものの、総出火件数は、37,981件。
そのほとんどが建物火災で20,764件発生しています。
総出火件数の37,981件を出火原因別にみると、
「たばこ」3,414件(9.0%)、「たき火」3,095件(8.1%)、「こんろ」2,852件(7.5%)、「放火」2,784件(7.3%)、「放火の疑い」1,977件(5.2%)の順となっています。
住宅火災による死者(放火自殺者等を除く)数の70.6%を占めています。
逃げ遅れ519人、着衣着火48人、出火後再進入18人、そのほか361人。
以上も踏まえ、高齢者の火災における死者がなぜ多いかみてみましょう。
・老化に伴う認知機能の衰え、行動力低下に起因する逃げ遅れ
一番はやはり身体能力の衰えによるものです。逃げ遅れはもちろん、
>眼球の白濁によりガスコンロの青白い炎が視認しづらい
>嗅覚、聴覚、温感冷熱の感覚が衰え、異変に気付かない
ということもありコンロやこたつによる着衣着火で命を落とす方もたくさんいます。
就寝時に火災に気付かず、逃げ遅れる人も多くいます。
また動くのがおっくうになり、自分の居場所の周りに物を集めるので、
火災が発生しやすく、燃え広がりやすい状況を作りがちです。
・古いタイプの器具を使い続ける、使い方を誤ることによる火災発生
最新の製品や住宅の構造は火災予防の規定が厳しいですが、
ずっと愛用してきた火災予防が十分ではない旧式の製品を
使い続ける高齢者も多いです。
また「大丈夫だろう 🙂 」で、こたつに洗濯物を入れて乾かしたり、
布団の近くに暖房器具を寄せたり、
最近では在宅酸素療法に使用される携帯用液体酸素にタバコの火が引火して
一気に火が燃え広がる例も多々報告されています。
■大家ができる、物件の火災防止策
●設備点検をしっかりする!
・火災報知器
全国の設置率は82.3%(平成30年6月時点)。
設置されることで死者数も4割減となったというデータもあります。
また新築住宅に火災報知器の設置が義務付けられてから10年以上経過しています。
・点検ボタン、ひもをひっぱるなどして作動確認
・埃を拭きとる
・設置から10年以上経っているなら、本体の交換も考える
など対応していきましょう。
・スプリンクラー
スプリンクラーの点検については、
水源など多くの場所をチェックしなくてはいけないため、
個人では難しいです。
防火設備をチェックしてくれる
業者、管理会社にまとめて依頼したほうが良いと思います。
・消火器
各戸にお配りするのもよいかと思いますが、
共用部に配置している物件が多いのではないでしょうか。
消火器の一般的な使用期限は10年。
以後3年ごとの水圧点検が必要ですが、
できれば、廃棄して新しい消火器を配置、
消火器格納箱も新設してみると住民の方の防火意識も高められるかもしれません。
ほかにも
・上下水道などの配管まわりがしっかりふさがれ、火が回ることがないか
・防火扉や非常扉の前、避難経路に荷物が置かれたり、ふさがれていないか
・ベランダに物やゴミが置かれ、避難の妨げになっていないか
など建物の状態もチェックすることで、物件の環境も改善できます。
放火対策として、防犯カメラの設置、ゴミ捨て場の見直しも行うと良いでしょう。
●大規模修繕は「防災」を見直すチャンス
消火設備の設置を改めて見直すと同時に、
網入りガラスや防火クロスなど、
防災対策となる建材を取り入れていきたいところです。
●入居者、利用者に注意喚起
これから火災が多くなる時期であること
暖房器具やコンロに注意が必要なことを意識させることがとても大切です。
高齢者の多い物件ならば、チラシを配り、入居者の住まいの状況なども
把握しておくと、いざという時に役立ちます。
また「民泊」では、ゲストが文化の違う国でコンロやストーブを使うので、
あらかじめ火器、電化製品の使い方や
もしもの時の通報の仕方などをきちんと説明することが大切です。
避難経路や消防設備を実際に使っての消防訓練も大事。
設備に慣れる、避難経路を意識し共用部分の使い方を改善することも
できますし、居住者同士のコミュニケーションの向上にもつながるので、
積極的に実施していきたいです。
参加できなかった人に対しても、お手紙や回覧板を使うことで、
定期的に意識してもらいましょう。