5年間で最大34万人5150人の受け入れを見込んでいる一方、
法務省が行った調査では、
過去5年間で外国人であることを理由に入居を拒否された人は
およそ40%もいることが分かりました。
管理会社・仲介会社とも協力し、
抵抗感を払しょくして、受け入れ態勢を構築することが求められています。
関わっていけばよいか考えてみました。
その生活習慣・考え方は数えきれないぐらい多種多様です。
①臭気
外国との文化の違いのひとつに、食べ物があります。
例えば、タイ等のアジア系の方はスパイスを多用した料理を日常的に食べるため、
換気扇の戸外につながる部分からは独特の臭気がします。
若い方はそうした物も食べ慣れ「美味しいにおい」と認識している人も多いですが、
それを「くさい」と認識する方も多く、クレームにつながることもあります。
換気システムを見直したり、気密性の高い建物構造であるかも大事です。
よく聞く話としては、友人たちを招いて、夜間にパーティーを開き、うるさい
音楽のボリュームが大きく、こちらまで聞こえてくる…
という話を聞きます。本人たちは騒音と思っていないので、
ここも文化の違いなのかもしれません。
引っ越した時は両隣上下へのあいさつをすすめてみましょう。
周囲の人が顔を知っていれば、転賃なども防ぐことができるかもしれません。
町内会などに通じる方を知っているのならば、紹介してあげるのも
後々のトラブルを防ぐ手になることでしょう。
③物件に対する損害
日本特有の天気、特に湿気については知らないまま、
壁の裏側や畳の下に青カビがびっしり… という人もいます。
契約を結ぶ中で説明してあげましょう。
退去確認は必ず行ったほうがいいです。
●日本語が通じる、日本語が分かる支援者がいるか確認
「日本語でコミュニケーションが取れるか」ということは、
契約内容をしっかり理解してもらうためにも、重要です。
職場の人でもかまわないので、契約の際連れてきてもらい、
連絡先もしっかり聞いておくことが大事です。
それも難しいのであれば、トラブルに対応できる保証会社を
入居者の実費でつけてもらうことを条件にしましょう。
●家賃を踏み倒されないようにする
家賃が振り込まれなくなったため、尋ねたら、
無断転賃されていたうえ、契約者が帰国したため
居場所も連絡先も分からないことがあります。
こうしたリスクを避けるため、
家賃は振り込みではなく、口座引き落としにしたほうがよいでしょう。
何よりも大切です。心がけておきたいのは以下の4点です。
①やさしい日本語で話す
難しい言葉や早口はやめ、相手が分かりやすい言葉で話しましょう。
②相手(外国人)の話を聞く
何が分からないのか。また、どうしてそうしたのか。
きちんと聞いてあげて、解決策を一緒に探しましょう。
③連絡文書には日本語と外国語を併記する
ゴミ捨て場など、公共物の使い方や連絡などの掲示物は
日本語と外国語を併記。
さらにイラストを併用すると、子どももご高齢の方にも分かりやすく親切です。
④お役立ちツールを活用する
外国人とコミュニケーションをするにあたり翻訳アプリなど、
色々便利なツールはあります。
今回お奨めしたいのは、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が国土交通省と連携し、平成30年3月に発行された
外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン・部屋探しのガイドブックです。
●ネットワークを通して、紹介で永続的に入居者が見つかる
同じ国出身者同士のネットワークがある人は、
気に入ったアパートを友達に紹介したり、家財道具を丸ごと引き継いで
入居してもらうといったことも多いそうです。
また留学生を受け入れる学校や企業と法人契約を結べば、
一定期間入居者が確保できるので、日本人よりも優良顧客となりえます。
●新しい部屋を探すのに苦労するので、長期入居してくれる
最初に言った通り、外国人の方はなかなか家が探しづらいのが実情です。
住みよい物件を作ってあげれば、長期的に入居してくれます。
外国人の方を入居者として迎えるのは決してデメリットばかりではありません。
交流できるのは貴重な機会でもありますし、良い体験もできることでしょう。
また外国人の方にとって選びやすく住みやすい物件は、
日本人や子ども、高齢者にとっても住みやすい物件となります。
ターゲットを外国人の方に絞る必要はありません。
もし外国人の方が入居されたなら、この機会に改めて
入居者との関わり方や交流について考えてみてはいかがでしょうか?