民法改正で変化する賃貸住宅ビジネス

今年5月に改正民法が成立。2020年に施行されるそうです。

なんと120年ぶりの改正とあって、賃貸住宅ビジネスに関わる改正点も多くあります。
今回はその改正点を知り、今後の賃貸経営のどんなところに気を付ければよいか、
考えてみました。


①住宅設備故障時には家賃を減額しなくてはいけない
管理会社や家主さんによる新たな対応が求められるのがこの項目。

例えば、借主の責任ではなく、エアコンが故障し、使用できなくなった場合、
今までは借主からの要求があれば、家賃を減額しなくてはいけませんでしたが、
改正後は入居者から要求がない場合でも、適切な減額が求められます。
(故障して通常使用ができない事実をオーナーや管理会社が知った時点で適用)

適切な減額がどのようなものなのか。
(公社)日本賃貸住宅管理協会ではすでに2004年作成の
賃料減額と免責日数の目安があります。
今後Wi-Fiなど今の設備に応じて、内容も吟味していくとのこと。
もしものトラブルに対応できるよう、自分の物件にある設備が壊れた場合、
どのくらいの賃料減額が妥当で、どのくらいの免責日数があるのか。
一度問い合わせてみてもよいかもしれません。menseki
賃貸住宅新聞参考

②借主による修繕費用は貸主が負担しなくてはいけない
・賃貸物件の修繕が必要なことを知ったにも関わらず、
 貸主が相当期間内に必要な修繕をしない
・差し迫った事情がある
場合は借主が修繕を行うこともあります。
その際の修繕費は貸主が負担しなければなりません。

③敷金の返済義務を定義
いままでガイドラインとして存在していた国土交通省の原状回復ガイドラインの
基準が、そのまま法律で定められることになります。
ただし契約時に特約を締結することで、借主負担にできる部分もあるので、
借主と物件の状況に応じて、特約の締結も視野に入れましょう。

④個人保証の限度額を設ける
契約の際、連帯保証人が金額をいくらまで保証するか、
限度額を明記することが決められました。

一見大家さんにとって、面倒と負担が増えたように見えますが、
いままでグレーだった部分が見直され、
大家さん自身もトラブル解決の糸口が見えてくる内容となっています。

民法が改正されるまで、まだ期間はありますが、
一度管理会社等と話し合い
●改正点に伴い契約書を見直す
●設備故障、修繕が必要な部分はほおっておかず、すぐ対処できる仕組みづくりをする
など、今からトラブルに発展しないための準備をしておいてくださいね。