住み方の多様性~LGBT~

不動産ポータル「suumo」では8月30日から
ユーザーが部屋探しをする際の検索項目に
『LGBTフレンドリー』が加わりました。
これはLGBTの入居者であっても、受け入れますよ、という意思表示です。

LGBT=性的少数者 という言葉は
テレビや新聞などのメディアでもよく目にするようになりました。

とはいえ、 😕 自分とはまったく関係ない、と思っている人も多いはず。
今回はLGBTとはなにか、ということと、
大家としてはどう関わるものなのか考えてみました。


■LGBTとは
レズビアン(女性の同性愛者)、ゲイ(男性の同性愛者)、
バイセクシャル(両性愛者)という恋愛の話だけではなく、
トランスジェンダー(性同一性障害)→心と体の性が一致しない
も含まれています。

性的少数者と言われていますが、国内人口の7.6%がLGBTに該当するという
データもあり、人口の11%が左利きという数字を見ると、
その数は決して少なくないことが分かりますね。

■LGBTの人が住まいで直面する問題
恋人同士でも家族になれない制度
現在、日本の法律は同性同士の結婚を認めていません。
養子縁組や一部のまちで制定されているパートナーシップ条例を使えば
家族と同様になることはできますが、それも一部の話です。

家族でないと「携帯の家族割が使えない」という問題から
 😥 「家族以外面会謝絶となったとき、会うことができない」
 😐 「遺産を引き継ぐことができない」
など、生き方に関わる問題が現れます。

物件を契約する際にも、家族でない人同士が住むことはまだ簡単ではなく、
親戚と偽って二人暮らしを始めたり、
1人が契約して、許可を得ず2人で住み始める人もいます。

 

●戸籍と見た目の違いを理由に…
性同一性障害の場合、見た目が男性なのに戸籍は女性、
あるいはその逆であることから拒否感を示されることもあります。

書類上は女性だけど、家に出入りしている人の見た目は男性だという理由で
又貸しなどを疑われることも。
普通の社会生活の中で見た目も戸籍も変更することはとても大変なことです。
「だまされているのでは?」と疑わず、見守っていきたいですね。

●LGBTは決して変質者でも犯罪者じゃない
多くのLGBTの人々が恐れているのは「偏見」。
同性愛者とカミングアウトし、嫌悪されたり、いわれのない誤解をされたり。
LGBTの人は多くありませんが、
特別な対応や視線を向ける必要は本当はないのです。

 

■『LGBTフレンドリー』の検索項目のメリット
LGBTの人も、大家さんもどちらも傷ついたり、嫌な思いをしない
ことが一番のメリットになるでしょう。
LGBTの人が嘘を言って入居する必要もないですし、
大家さんも入居者の人をあらかじめ理解して受け入れる心の準備ができます。

もちろん、人の考え方はそれぞれなので、
「おかしいな」「うちの物件では受け入れられないな」と
思うことは自由です。

 

結婚しない人も増え、人々の生き方は多様になってきています。
LGBTの人でなくても、
「友人同士で暮らしたい 😉 」「シェアしたい 🙂 」という意見も珍しくありません。

今、この日本で、自物件で、
どんな人がどんな暮らしをするのか。
オーナーさん自身が考えて、発信すれば、
入居してほしい人と入居する人のズレから起こるトラブルは減るはず。

もしLGBTの人も受け入れることができるのであれば、
仲介会社の人にその旨を伝えてはいかがでしょうか?