参入?撤退?民泊の未来は…~民泊シリーズ005~

この1年、さまざまな動きを見せた民泊
認知度があがり、利用者も民泊の件数も増す一方ですが
制度が整わず、違法民泊はいまだなくならず、トラブル 😥 もあとを絶ちません。

☆民泊の動きやトラブル対策については過去記事から↓☆
知りたい!民泊☆
民泊の今を知る ~民泊シリーズ002~
大阪で民泊認定!!~民泊シリーズ003~
また貸しで勝手に民泊運営?
安易な民泊投資はイエローカード~民泊シリーズ004~

この一年で多くの議論が重ねられ、調査によって民泊の現状も見えてきました。
今回は地方自治体、関係団体の動きから民泊の未来を考えます 😉 。


民泊の宿泊予約サイトAirbnbの
日本全国の掲載件数(2016年11月1日時点)は、前月比103.3%増↑↑となる44,259件。
市区町村別に見ると、最も多いのが大阪府大阪市中央区で4,097件、
次いで東京都新宿区が3,300件、大阪府大阪市浪速区が2,532件となっています。
(BnB Insight調べ)

大阪府の民泊は増え続けていますが、
競争が徐々に激しくなっているという方もいらっしゃいます。
さらに民泊のほとんどが違法で運営されているものです。

違法民泊をきちんと摘発し、健全なマーケットが形成されれば
民泊は空き家問題の解決法としても、オーナー様の新たな収入源としても
大変有望といえます。

◆大阪府、大阪市では正規参入増加を目指す
大阪府に続き、大阪市内では11月中旬より「民泊」を認める条例を施行。
大阪次独自の条例による特区民泊が解禁されました。
さらに政府は民泊の最低宿泊日数を6泊7日から2泊3日
短縮する方針で動いており、
大阪市と大阪府も国の制度に合わせて条例を改正する予定にしています。

フロント設置の義務付けも廃止され、申請も約2週間 😉 で行われます。

一方、大阪府は民泊を宿泊税課税の対象とする方針を固めています。
民泊サイトでも課税対象となる物件がないか調査していくとのことなので、
違法外泊に対してはさらに取り締まりが強化されるようです。

浄化された民泊業界に参入するか、撤退するか… 😕 
大阪の民泊は岐路に立たされているのかもしれません。

大阪府 いわゆる民泊サービスについて
http://www.pref.osaka.lg.jp/kankyoeisei/minpaku-service/index.html

 

◆京都市は民泊を規制する方向で進めている
京都市は、12月1日より、宿泊事業者(ホテル、旅館、簡易宿所、民泊施設)への
新指導要綱を運用開始しました。

・旅館業許可申請時に近隣にその旨を周知させること
(町内会等自治会への説明義務、連絡先の周知も含まれる)

・ゲストが迷惑行為を行わないよう徹底する
(早朝及び夜間に旅行かばんを引くなど騒音を立てない、
施設付近でたばこの吸い殻やごみをみだりに捨てないなど
具体的な迷惑行為が盛り込まれている)

・立ち入り調査や無許可民泊に対する刑事告発の手続き
など今までのトラブルや実態を踏まえた要綱が定められています。

さらに民泊新法への要望として、厚労省に
・集合住宅の一室を民泊に転用することを禁止に
・違法物件を仲人サイトに掲載できないように
などの規制と取り締まり体制の確立を訴えています。

安易な民泊投資はイエローカード~民泊シリーズ004~
でもお伝えしましたが、京都は非常に厳しく
違法民泊の取り締まりにあたっています。

しかし、稼働率は全国でもっとも高く 🙂 、
やりがいや利益に大きく結びつく可能性があります。

京都市 旅館業の手続について
http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000177773.html

 

◆空き家対策に民泊は興味あり!
全国賃貸住宅経営者政治連盟も民泊新法への要望を自民党に提出。
空き室や空き家の民泊転用を促進するための助成制度 🙂 の新設を求めています。

また旅館業法の簡易宿所に「集合住宅の一室」の枠組みを設け、
有休物件の活用を促したい考えです。

 

◆近隣住民の目は厳しい
違法に民泊を運営している場合、周囲への周知もしていないため、
多くの人が知らない人の出入りが激しいことに不満を抱えています。
また
・団体で入ってくる(セキュリティが心配)

・共用スペースにごみを放置
(大量の家電ゴミやお土産ゴミを捨てていくケースも)

・深夜に騒ぐ

などの問題があがり、最悪入居者が退去してしまうケースもあります。
民泊を「地域の安心・安全を損なう公害」と評する人もいるくらいです。


「民泊はすごく儲かる」はすでに過去の話となり、
厳しい認定条件や規制のため
「民泊に新たに参入しよう」と言う人はピーク時より減少しています。

その一方で他の民泊との差別化をはかった
「地域の実情に合わせた」個性のある「おもてなしの気持ちが伝わる」 
民泊も徐々に増えています。

民泊はまだ過渡期にあります。
自分が民泊をするなら、どんな人を招いて、どんなおもてなしがしたいか 😀 
そのためにはどんな制度や助けが必要か 😕 。
民泊を自分や地域にとって恩恵をもたらすものにするのは
オーナー様を含め、さまざまな立場の人たちの意見や議論だと思います。