少子高齢化が急激に進む中で一刻も早く望まれているのが、
💡 高齢者が安心して快適に住むことのできる住まいの提供。
そんな背景もあり、
土地活用、不動産投資として「サービス付き高齢者住宅」の選択も、
浸透してきましたね。
さらに今年の7月、地主さんなどが所有する建物を社会福祉法人が賃貸して
「特別養護老人ホーム(以下、特養)」を運営することが可能になり、
オーナー様の土地活用の選択肢が広がりました。
東京都で補助金も決まり、様々な広がりが期待される
「特養」と「賃貸」について、今回は見ていきましょう。
まず「特養」とはどんなものか。
「有料老人ホーム(サービス付き高齢者住宅)」と比べて見てみましょう。
有料老人ホーム(サービス付き高齢者住宅) |
特別養護老人ホーム |
主に民間企業が事業主 |
主に社会福祉法人や地方公共団体などが事業主 |
施設によりばらつき 入居一時金:0円 月額利用料:12~30万円 |
低額 入居一時金:0円 月額利用料:8~13万円 |
概ね65歳以上(中には60歳以上とする施設も)で、自立・要支援・要介護のいずれも入居対象。「要介護以上」など、条件は施設により異なる。 | 原則として65歳以上で、介護認定を「要介護3」以上で受けている方。その他、伝染病などの疾患がなく、長期的な入院を必要としない高齢者であることなど施設によって条件が異なる。 |
常駐するスタッフや医療機関との協力関係などにより異なる。 | 食事介助や入浴・排泄、日常生活における生活支援サービス、リハビリ、レクリエーションを通した機能訓練などの介護サービスを受けられる。医療依存度が高いと入居できない場合も多い。 |
空室があれば入居可能。 | 待機者が多く、すぐの入居は難しい。 |
特養は定員80~100人規模で運営するケースが一般的であり、
敷地面積は1500~2000㎡ほど、
新築すると建設費は15~20億円が必要と言われています。
社会福祉法人や地方自治体が運営する公的な施設なので、
有料老人ホームより低料金で利用できるので人気があり、
多くの入居希望者が、今も施設に入居できずにいます。
特に人口の集中している東京や神奈川、兵庫など首都圏は待機人数が多いのですが、
そうした首都圏では地価が高くて、建設用地を確保することが難しく、
特養を新設できないというジレンマを抱えています。
それが厚生労働省が7月に行った特養の建物に関する要件緩和によって、
地主さんなどが所有する建物を
社会福祉法人が賃借して運営することが可能になったのです。
対象は東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知県・大阪府など
地価が高く空地が少ない都市部限定になりますが、
都市部での「特養」への需要は多く、
社会福祉法人にとっても初期投資を抑えて施設の開設ができます。
土地活用として特養を建て貸しすると以下のメリットが考えられます。
●一般賃貸住宅以下の利回りになることが多いが、駅から遠い場所でも開発が可能
●経営基盤がしっかりとしている社会福祉法人へ建設した施設を賃貸することで
安定的な賃貸収入が見込める
●固定資産税や相続税の軽減効果も期待できる
また、東京都は地主さんやゼネコンなどを対象に、
社会福祉法人に貸し付ける目的で、
特別養護老人ホーム(以下特養)を建設する費用の補助金申請を受け付けています。
補助金額は地域と特養の収容人数によって異なりますが、
建設費の5割程度 🙂 を補えるということで都内のオーナー様であれば一度検討したい
内容になっています。
すでに第1回、2回の申請の締め切りは過ぎていますが、
第3回の申し込み締め切りが
💡 平成29年1 月13日(金)
となっております。
現在都内で土地活用を考えているオーナー様は
社労士さん、社会福祉法人や不動産会社にご相談してみるのも
よいかもしれません。
補助制度を設けているのは東京都のみですが、
今後、全国の自治体にも広がっていくのではないでしょうか 😉
こうした動きから介護施設は徐々に増えていますが、
入所できる介護認定の条件が厳しくなる 😥 などして、
定員割れしてしまう特養がでてきているのも事実です。
長い目で見ると、入所が必要な人の人数が
いつか減りだす可能性も見通さなくてはいけません。
さらに、建物がそろっても、問題となっているのはソフト面。
介護の現場は常に人が足りず、大きな課題になっています。
最近の老人ホームにも個性があり、見学や食事体験会などをして
まるでリゾートのような場所で「終の住処」 🙂 を演出する施設して
入居者を募集するところもあります。
建物を建て、運用を任せる企業、社会福祉法人が
自分の介護施設の満室経営を実現してくれるところか
見極める必要があるでしょう。