民泊の今を知る ~民泊シリーズ002~

★ 「民泊」の現状まとめ ★

「民泊」シリーズ基礎編 第2弾です!

新しい空室対策として、気になっている方は多いと思います。

でも、良く分からないよ!実際どうなの?これからどうなっていくの?

そんなオーナー様のために、民泊の動きを追っていきます。


>>全国初の民泊特区 大田区の現状

東京都大田区が国内では初めて国家戦略特区に基づく民泊物件が認められました。

当初、大田区は3月末までに申請物件は100件超と見込んでいたそうです。実際に3月末が近づいてきましたが、現状どうなのでしょうか?!

大田区が、民泊を始めたい人を対象に実施した説明会には、なんと1000人以上が参加されたとのことで、関心は非常に高いようです。
ですが、結局実際に申請があったのは3件で、認定を受けたのは2件にとどまっているそうです。(出典:NHK(2016年3月2日))

なんと 😯 !!皆さん様子見されている方が多いみたいです。

>>その原因は??

☆手続きが煩雑
まず原因の一つとして考えられるのが、手続きがとっても面倒です。
ご参考に大田区で公開されている申請手続きのフローチャートをご覧ください。(クリックで大きくなります)

大田区

出典:大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関するガイドライン

このフローを見ると、

事前に消防署、生活衛生課、建築審査課等々への確認、申請や、

周辺住民への周知徹底など・・・

目が回りそうな手続きを踏まないといけないみたいです・・。

代行業者もあるようですが、割と高額だったり。

これは確かにハードル高そう。相当時間がかかりそう。

☆簡易宿所型民泊との比較

現在の法制度上、合法的に民泊をやろうと考えた場合には、平成28年1月に大田区で始まった特区民泊の特定認定を取得する方法と、旅館業法上の簡易宿所許可を取得する方法の2つが主な選択肢です。

そこで特区民泊簡易宿所のどちらを選択するのが良いのでしょう??

政府は「民泊サービス」のあり方に関する検討会において、旅館業法の政令改正、具体的には簡易宿所の条件を一部緩和して民泊を認める方向性で議論を進めています。

民泊参入を検討されるオーナー様の中には、この簡易宿所での民泊と特区型民泊の条件を比較した上で、判断したいと考える方も一定数いるようです。

 💡 この2つ、特に、大きな違いとなるのが宿泊日数の制限です。

 *特区民泊 ⇒ 法規制:国家戦略特別区域法 、 滞在日数:6泊7日以上
 *簡易宿所型民泊 ⇒法規制:旅館業法 、 滞在日数:制限なし

7日以上滞在のハードルが高い「特区民泊」。一方で簡易宿型は制限がないので、ここをみると「簡易宿所型民泊」の方が有利に見えます。

 

厚労省が2016年4月に「旅館業法」を一部全国的に緩和を行うと方針を示しました。

想定よりも早く、この「簡易宿所型民泊」に関する規制緩和の見通しがたったことで、オーナー様からすると、国家戦略特区を活用する必要性が薄まってしまったのかもしれません。

 

 

>>旅館業法の政令改正(簡易宿所型)

厚労省は9日から一般の意見公募を開始。この結果も踏まえて旅館業法の施行令を改正し、4月1日から施行する予定としている。これまで違法状態で営業していたマンションの空き部屋など小規模施設も自治体から許可を取得しやすくなり、民泊は今春から全国で事実上の「解禁」となる見通し。(産経ニュース(2016年2月9日))

旅館業法自体を変更しようとする場合、国会での審議が必要なため、対応に時間がかかってしまいます。
一方、閣議決定のみで制定可能な政令であれば、比較的短時間で対応することができます。
民泊の規制緩和に対する要望が高まる中で、それだけ国は対応を急ぎたいということでしょう。

>>旅館業法はどのように変わるの?

・宿泊客が10人未満であれば、1人当たり「3.3平方メートル」の広さでよい
・緊急時対応の体制などを整えれば、受付業務を行うフロントを設けなくてよい

上記のルールが改正されれば、ワンルームマンションも合法的に宿泊施設として営業可能と言われています。

 

>>旅行業法以外の関連業法は?

一方で、旅館を運営する際には、旅館業法以外に、建築基準法や消防法といった他の法規制にも準じる必要があります。

●「建築基準法」における用途地域規制との関係

・ホテル、旅館は住居専用地域では一切営業できないが、民泊についてはできるように緩和すると、良好な住環境を求めて住んでいる人に大きな影響を及ぼすことになり、慎重な検討が必要。

・ 周辺の住民とのトラブルを避けるために、用途地域の規制が緩和となった場合でも、住環境保持の観点から一定の線引きは必要。

(出典:第6回 「民泊サービス」のあり方に関する検討会 資料2「今後の検討に当たっての基本的な視点と想定される主な論点(案)及び検討の方向性(案)について」より主な意見の一部を抜粋)

そもそも、「用途地域」とは、都市計画法の地域地区のひとつで、用途の混在を防ぐため、住居、商業、工業など市街地における大まかな土地の利用目的を定めるものです。

今回でいえば、定められたエリアでしかホテルや旅館を運営することはできないということです。

「全国で」解禁といった報道も目立ちますが、「用途地域」の規制があるかぎりは、日本全国全てのエリアで民泊が可能になるわけではありません。

特に物件の購入・賃貸を検討されているオーナーの方は注意が必要ですね 💡 

●建築基準法、消防法における構造設備基準との関係

   ・既存の建築基準法と消防法による規制の中で火災安全は保たれるが、民泊を行っていることが把握できないと規制ができないので、把握して規制ができる体系を検討した上で、建築基準法と消防法との関係を検討すべき。

   ・中期的には民泊に係る新たな定義づけを行うべきではないか。その上で、用途規制や消防法など、関連制度に係る包括的、抜本的な制度設計を行うことが必要ではないか。その際、民泊を従来の宿泊施設とも、住宅とも異なるものとして位置付けることも必要ではないか。

出典:第6回 「民泊サービス」のあり方に関する検討会 資料2「今後の検討に当たっての基本的な視点と想定される主な論点(案)及び検討の方向性(案)について」

⇒消防法も中長期的な議論が必要となっているので、引き続き面倒な消防署への申請手続きは残ると想定されます。

 ➡ これまでの話をまとめると、これまでの議論を通じて4月1日に緩和されるのは、旅館業法の簡易宿所の構造基準の一部で、その他の関連業法や手続きの緩和については、今後、議論されていくものと思われます。

 

まだまだ今後の動きに大注目の「民泊」。

興味をお持ちの方は、これから益々色んな情報にアンテナ張って、乗り遅れないようにしたいですよね。

少しでも皆さんの情報収集のお手伝いになれば 🙂 !